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フェロモン受容体に特異的なフェロモンが結合すると、フェロモン受容体が共役している Gタンパク質三量体を介し細胞内にシグナルが伝達され、鋤鼻細胞の脱分極を引き起こす。鋤鼻細胞から発せられた情報は、副嗅球を経て、扁桃体の内側部に至り、最後は視床下部に到達する神経路をたどり、ホルモンの分泌などを促しているとされる。 しかし現在までに、フェロモン受容体から始まるフェロモン認識機構についての全容は明らかとなっていない。 | フェロモン受容体に特異的なフェロモンが結合すると、フェロモン受容体が共役している Gタンパク質三量体を介し細胞内にシグナルが伝達され、鋤鼻細胞の脱分極を引き起こす。鋤鼻細胞から発せられた情報は、副嗅球を経て、扁桃体の内側部に至り、最後は視床下部に到達する神経路をたどり、ホルモンの分泌などを促しているとされる。 しかし現在までに、フェロモン受容体から始まるフェロモン認識機構についての全容は明らかとなっていない。 | ||
(編集コメント:マウスでの知見はいかがでしょうか。) | |||
=== ヒト === | === ヒト === | ||
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汗に含まれるフェロモンについても様々な議論がある。男性の汗のにおいに含まれるステロイドホルモン様物質であるアンドロスタジエノンは、嗅いだ被験者の副腎皮質ホルモン、コルチゾールの量を変化させるため、ヒトのフェロモン候補分子として提唱されている。ちなみにアンドロスタジエノン及び類似物質であるアンドロステノンは、嗅ぐ人によって「尿などに似た臭いにおい」、「花の甘い香り」「無臭」といったように大きく異なって感じられることが知られている。これは、嗅覚受容体の遺伝子変異が大きく関わっている<ref><pubmed>21212322</pubmed></ref>。 | 汗に含まれるフェロモンについても様々な議論がある。男性の汗のにおいに含まれるステロイドホルモン様物質であるアンドロスタジエノンは、嗅いだ被験者の副腎皮質ホルモン、コルチゾールの量を変化させるため、ヒトのフェロモン候補分子として提唱されている。ちなみにアンドロスタジエノン及び類似物質であるアンドロステノンは、嗅ぐ人によって「尿などに似た臭いにおい」、「花の甘い香り」「無臭」といったように大きく異なって感じられることが知られている。これは、嗅覚受容体の遺伝子変異が大きく関わっている<ref><pubmed>21212322</pubmed></ref>。 | ||
ヒトでも他の哺乳類と同様に鋤鼻器自体は存在していることが知られている。しかし、胎児期に鋤鼻器に接続する神経系の大部分が退化してしまい、また一次中枢の副嗅球も存在しない。そのためヒトでは鋤鼻器が機能している可能性は低いと考えられている。しかし、ヒトゲノム上にはV1RとFPR型の受容体遺伝子が存在し、ヒトV1Rは嗅上皮に発現しているらしい <ref><pubmed>10973240</pubmed></ref><ref><pubmed>21933956</pubmed></ref>。嗅上皮で鋤鼻器型、あるいは通常の匂い受容体型のフェロモン受容体が機能しているという可能性がある。 | ヒトでも他の哺乳類と同様に鋤鼻器自体は存在していることが知られている。しかし、胎児期に鋤鼻器に接続する神経系の大部分が退化してしまい、また一次中枢の副嗅球も存在しない。そのためヒトでは鋤鼻器が機能している可能性は低いと考えられている。しかし、ヒトゲノム上にはV1RとFPR型の受容体遺伝子が存在し、ヒトV1Rは嗅上皮に発現しているらしい <ref><pubmed>10973240</pubmed></ref><ref><pubmed>21933956</pubmed></ref>。嗅上皮で鋤鼻器型、あるいは通常の匂い受容体型のフェロモン受容体が機能しているという可能性がある。 | ||
=== 昆虫 === | === 昆虫 === |