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[[ゼブラフィッシュ]]において、mRNAのリン酸骨格部位をBhc基し、これをマイクロインジェクションによりゼブラフィッシュに導入後、光照射部位特異的にタンパク質を発現させることが実現している(図)<ref><pubmed> 11479592 </pubmed></ref>。 | [[ゼブラフィッシュ]]において、mRNAのリン酸骨格部位をBhc基し、これをマイクロインジェクションによりゼブラフィッシュに導入後、光照射部位特異的にタンパク質を発現させることが実現している(図)<ref><pubmed> 11479592 </pubmed></ref>。 | ||
== | == 方法 == | ||
=== | === 投与 === | ||
細胞内に負荷する場合には主としてガラスピペットからの負荷と、[[wikipedia:ja:AM体|AM体]]のケージド試薬を細胞外液に投与する方法がある。前者の場合は、ある程度濃度を調整することが可能であるが、細胞内環境はガラスピペット内液による細胞内還流によって変化する。後者は、細胞外液に投与することで[[細胞膜]]を透過し、細胞内において[[wikipedia:ja:脱エステル化|脱エステル化]]される。非侵襲的に細胞内に負荷することができるが、その濃度を調節することや細胞内濃度を高くすることは難しい。マイクロインジェクションによって負荷する方法もあり、高濃度の試薬を細胞内環境の変化を最小にして導入することが可能であるが、熟練した実験技術を要する。 | 細胞内に負荷する場合には主としてガラスピペットからの負荷と、[[wikipedia:ja:AM体|AM体]]のケージド試薬を細胞外液に投与する方法がある。前者の場合は、ある程度濃度を調整することが可能であるが、細胞内環境はガラスピペット内液による細胞内還流によって変化する。後者は、細胞外液に投与することで[[細胞膜]]を透過し、細胞内において[[wikipedia:ja:脱エステル化|脱エステル化]]される。非侵襲的に細胞内に負荷することができるが、その濃度を調節することや細胞内濃度を高くすることは難しい。マイクロインジェクションによって負荷する方法もあり、高濃度の試薬を細胞内環境の変化を最小にして導入することが可能であるが、熟練した実験技術を要する。 | ||
ケージド神経伝達物質のような細胞外に投与するものに関しては、細胞外液に直接溶かすか、ガラスピペットなどを用いて局所的に投与する方法が用いられる。 | ケージド神経伝達物質のような細胞外に投与するものに関しては、細胞外液に直接溶かすか、ガラスピペットなどを用いて局所的に投与する方法が用いられる。 | ||
=== | === 光照射 === | ||
一過的に強い光照射を行なうことに利点があるため、光源としては主にフラッシュランプや[[wikipedia:ja:レーザー|レーザー]]が用いられる。フラッシュランプ([[wikipedia:ja:パルスキセノン|パルスキセノン]]・[[wikipedia:ja:水銀アークランプ|水銀アークランプ]])は安価で効率的に活性化可能である。2光子励起の場合には700-800 nmの波長の近赤外超短[[wikipedia:ja:パルスレーザー|パルスレーザー]]が用いられ、高い[[wikipedia:ja:開口数|開口数]]の[[wikipedia:ja:対物レンズ|対物レンズ]]を通して集光する。照射時間の制御には機械式シャッター、より高速な制御を必要とする場合は、[[wikipedia:AOTF|AOTF]]、[[wikipedia:EOM|EOM]]などの光学素子が用いられる。 | 一過的に強い光照射を行なうことに利点があるため、光源としては主にフラッシュランプや[[wikipedia:ja:レーザー|レーザー]]が用いられる。フラッシュランプ([[wikipedia:ja:パルスキセノン|パルスキセノン]]・[[wikipedia:ja:水銀アークランプ|水銀アークランプ]])は安価で効率的に活性化可能である。2光子励起の場合には700-800 nmの波長の近赤外超短[[wikipedia:ja:パルスレーザー|パルスレーザー]]が用いられ、高い[[wikipedia:ja:開口数|開口数]]の[[wikipedia:ja:対物レンズ|対物レンズ]]を通して集光する。照射時間の制御には機械式シャッター、より高速な制御を必要とする場合は、[[wikipedia:AOTF|AOTF]]、[[wikipedia:EOM|EOM]]などの光学素子が用いられる。 | ||
最近ではUV波長領域よりも長波長側の400 nm付近でも分解できるケージド試薬(RuBi-Glutamateなど)が開発されており<ref name="ref4" />、可視光を用いても、より細胞障害が低く、より深部での光分解が可能になりつつある。また光可逆的に活性をオンオフできるケージド試薬の開発が期待されている。 | 最近ではUV波長領域よりも長波長側の400 nm付近でも分解できるケージド試薬(RuBi-Glutamateなど)が開発されており<ref name="ref4" />、可視光を用いても、より細胞障害が低く、より深部での光分解が可能になりつつある。また光可逆的に活性をオンオフできるケージド試薬の開発が期待されている。 | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == |