571
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
88行目: | 88行目: | ||
==治療 == | ==治療 == | ||
===薬物療法=== | ===薬物療法=== | ||
薬物療法は原因療法ではなく、対症療法である。不安全般に効果があるのは[[ベンゾジアゼピン]](BZD)系などの抗不安薬と、[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]([[SSRI]])などの抗うつ薬である。これらは各々、[[GABA]]系、および[[セロトニン]]系の神経伝達を促進する薬物である。BZDは、作用発現が早いので初期短期間は使用する価値があるが、依存のリスクに注意が必要である。血中半減期の短いBZDは反跳性不眠などが生じやすく、依存のリスクがあるため、長期使用の場合は、血中半減期の長いBZDを用いる場合が多い。不安障害の基本薬は、むしろ[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]([[SSRI]])である。本邦で上市されている4種類のSSRI([[フルボキサミン]]、[[パロキセチン]]、[[サートラリン]]、[[エスシタロプラム]] | 薬物療法は原因療法ではなく、対症療法である。不安全般に効果があるのは[[ベンゾジアゼピン]](BZD)系などの抗不安薬と、[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]([[SSRI]])などの抗うつ薬である。これらは各々、[[GABA]]系、および[[セロトニン]]系の神経伝達を促進する薬物である。BZDは、作用発現が早いので初期短期間は使用する価値があるが、依存のリスクに注意が必要である。血中半減期の短いBZDは反跳性不眠などが生じやすく、依存のリスクがあるため、長期使用の場合は、血中半減期の長いBZDを用いる場合が多い。不安障害の基本薬は、むしろ[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]([[SSRI]])である。本邦で上市されている4種類のSSRI([[フルボキサミン]]、[[パロキセチン]]、[[サートラリン]]、[[エスシタロプラム]])は、保険適用には違いはあるものの、効果に大きな違いはないことから、作用時間や副作用及び薬物相互作用の違いを考慮して処方される場合が多い。また、パニック障害の急性治療におけるプラセボに対するエフェクト・サイズはSSRIも一般の抗うつ薬も0.55で差はない<ref><pubmed> 11729014</pubmed></ref>。SSRIが[[三環系抗うつ薬]]に勝るのは副作用がやや少ないことのみである。 | ||
強迫性障害をはじめとする不安障害に、エビデンスは乏しいが、抗精神病薬が用いられる場合もある。 | 強迫性障害をはじめとする不安障害に、エビデンスは乏しいが、抗精神病薬が用いられる場合もある。 |