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GABAは、[[wikipedia:ja:イモ|イモ]]などの植物に含まれるアミノ酸として古くから知られていたが、1960年代になって、[[wikipedia:ja:甲殻類|甲殻類]]の[[神経筋接合部]]で抑制性に働くことが示された。今日では、[[wikipedia:ja:哺乳動物|哺乳動物]]の[[中枢神経]]系において、GABAが[[抑制性伝達物質]]であることは広く認識されているが、GABAが抑制性神経伝達物質として認識されたのは 1970年代になってからである。もちろん、GABAは中枢神経系以外にも、さまざまな非神経組織に存在して、その組織特有の生理機能を有していると考えられている。 | |||
GABAの生合成に関しては、脳内では主に、[[グルタミン酸デカルボキシラーゼ]](glutamic acid decarboxylase; GAD)による脱炭酸によって、[[グルタミン酸]]から産生される。このGADには、 分子量が 65300と66600の2つのアイソフォーム([[GAD65]]と[[GAD67]])が知られており、どちらも同一の抑制性神経細胞に存在するが、GAD67が[[細胞質]]全体に存在するのに対してGAD65は[[神経終末]]部に豊富に存在することから、GAD65が抑制性シナプス伝達を担うGABA合成に関与すると考えられている。 | |||
GABAの合成に関しては、[[wikipedia:ja:TCAサイクル|TCAサイクル]]の[[wikipedia:ja:α-ケトグルタル酸|α-ケトグルタル酸]]からグルタミン酸を経由してGABAが合成される経路がある。また、神経終末部では、細胞外から[[グルタミン酸輸送体]]により、グルタミン酸が取り込まれてGAD65によりGABAが合成される。GABAの分解過程では、GABAはGABA transaminase によりコハク酸セミアルデヒドとなり、その後酸化されてコハク酸となりTCAサイクルに入る。 | |||
GABAは、GABAA受容体、GABAB受容体、GABAC受容体の3種の受容体に作用することによってその生理機能を発揮する。GABAAとGABAB受容体は中枢神経系に広く分布し、GABAC受容体は成熟脊椎動物ではほぼ網膜のみに限局して分布する。GABAAとGABAC受容体はイオンチャネル型受容体で、Cl-を透過させる。GABAA受容体はαサブユニット、βサブユニット、γサブユニット、δサブユニット、εサブユニットなどによって構成される五量体であるが、脳部位によってサブユニットの発現が異なっている。また、構成サブユニットの違いにより薬物に対する感受性も異なる。GABAC受容体は ρサブユニットで形成される五量体であり、GABAA受容体を抑制するビククリンに感受性がないなど、GABAA受容体とは薬物感受性がかなり異なっている。 | GABAは、GABAA受容体、GABAB受容体、GABAC受容体の3種の受容体に作用することによってその生理機能を発揮する。GABAAとGABAB受容体は中枢神経系に広く分布し、GABAC受容体は成熟脊椎動物ではほぼ網膜のみに限局して分布する。GABAAとGABAC受容体はイオンチャネル型受容体で、Cl-を透過させる。GABAA受容体はαサブユニット、βサブユニット、γサブユニット、δサブユニット、εサブユニットなどによって構成される五量体であるが、脳部位によってサブユニットの発現が異なっている。また、構成サブユニットの違いにより薬物に対する感受性も異なる。GABAC受容体は ρサブユニットで形成される五量体であり、GABAA受容体を抑制するビククリンに感受性がないなど、GABAA受容体とは薬物感受性がかなり異なっている。 |