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内分泌細胞、外分泌細胞や血液細胞の場合には、表面の小胞の細胞膜への融合だけでなく、膜融合が複数の小胞で複合的に進行することにより(複合型開口放出)、細胞質深層にある小胞がそのままの位置で細胞膜まで運ばれることなく開口放出し、貯蔵された小胞を効率よく放出する現象が見られる。これには、逐次的に内部に進行する様式(逐次開口放出)と先行して細胞質で融合してから開口放出に至る様式(多小胞性開口放出)がある。いずれも、神経でも用いられている可能性が指摘されている。 | 内分泌細胞、外分泌細胞や血液細胞の場合には、表面の小胞の細胞膜への融合だけでなく、膜融合が複数の小胞で複合的に進行することにより(複合型開口放出)、細胞質深層にある小胞がそのままの位置で細胞膜まで運ばれることなく開口放出し、貯蔵された小胞を効率よく放出する現象が見られる。これには、逐次的に内部に進行する様式(逐次開口放出)と先行して細胞質で融合してから開口放出に至る様式(多小胞性開口放出)がある。いずれも、神経でも用いられている可能性が指摘されている。 | ||
開口放出の初発過程は小胞膜と細胞膜という二つの脂質二重膜の融合であり、この時に形成される脂質二重膜でできた小胞と細胞外を繋ぐ通り道のことを融合細孔(fusion pore)という<ref name=" | 開口放出の初発過程は小胞膜と細胞膜という二つの脂質二重膜の融合であり、この時に形成される脂質二重膜でできた小胞と細胞外を繋ぐ通り道のことを融合細孔(fusion pore)という<ref name="ref3"><pubmed>23245563 </pubmed></ref>。初期融合細孔は直径0.4nm位と推定され、ミリ秒の安定性を持ち、時々、再閉鎖、再開口したり、再閉鎖した結果そのまま小胞がエンドサイトーシスされることもある。直径50nm以下のシナプス小胞の場合、この初期融合細孔の数ミリ秒の開口で、神経伝達物質が放出されると推定される。これに対して、大型有芯小胞からのペプチドの分泌では、初期細孔を通ることはできずに、融合細孔が拡大し、最終的には小胞が細胞膜に平滑化する、完全融合が起きる<ref name="ref4"><pubmed>12193788 </pubmed></ref> 。 | ||
==分子機構== | ==分子機構== |