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====筋に由来した求心性神経活動====
====筋に由来した求心性神経活動====
 筋由来の求心性神経線維の同定方法として、まず、1.皮膚の摩擦や触覚刺激によって発射活動が生じず、腱や筋腹の叩打、筋の受動伸展および等尺性筋収縮によって神経発射活動が生じること、さらに2. 神経束内の微小電気刺激によって皮膚への感覚が惹起されないこと、3. 心拍等の活動と同期した律動性のバースト様活動ではないこと、などを確認する必要がある(Vallbo et al., 1979)。つまりこの場合、記録している神経活動が、筋伸張や随意運動による筋収縮に対して感度が高く、皮膚受容器由来や交感神経由来の活動である可能性を棄却することが重要となる。これら3つの同定基準を用いることにより、筋に由来したいくつかの求心性感覚神経、例えば、1. 筋紡錘に由来する神経活動と2. ゴルジ腱器官に由来する活動にその候補を絞ることができる(Vallbo et al., 1979)。その後、神経束内の微小電気刺激(McKeon and Burke, 1980)や皮膚上からの神経電気刺激(Edin and Vallbo, 1987;最大上電気刺激)による筋単収縮力の位相(収縮相および弛緩相)とその発射活動動態から、さらにゴルジ腱器官と筋紡錘由来の活動の分類が可能である。
 筋由来の求心性神経線維の同定方法として、まず、1.皮膚の摩擦や触覚刺激によって発射活動が生じず、腱や筋腹の叩打、筋の受動伸展および等尺性筋収縮によって神経発射活動が生じること、さらに2. 神経束内の微小電気刺激によって皮膚への感覚が惹起されないこと、3. 心拍等の活動と同期した律動性のバースト様活動ではないこと、などを確認する必要がある<ref name=ref1 />。つまりこの場合、記録している神経活動が、筋伸張や随意運動による筋収縮に対して感度が高く、皮膚受容器由来や交感神経由来の活動である可能性を棄却することが重要となる。これら3つの同定基準を用いることにより、筋に由来したいくつかの求心性感覚神経、例えば、1. 筋紡錘に由来する神経活動と2. ゴルジ腱器官に由来する活動にその候補を絞ることができる<ref name=ref1 />。その後、神経束内の微小電気刺激<ref name=ref16><pubmed>6153970</pubmed></ref>や皮膚上からの神経電気刺激(<ref name=ref17><pubmed>2960126</pubmed></ref>;最大上電気刺激)による筋単収縮力の位相(収縮相および弛緩相)とその発射活動動態から、さらにゴルジ腱器官と筋紡錘由来の活動の分類が可能である。


 また、受動的な筋伸張(例えば、三角波型やランプアンドホールド型の筋伸張等)による発射動態から、筋紡錘の錘内筋に終止する1. 一次終末(Ia群線維)および2. 二次終末(II群線維)由来の活動、についても分類できる(Edin and Vallbo, 1990)。一次終末とは、筋紡錘を構成する錘内筋の核袋線維と核鎖線維の両者にらせん状に絡みつく線維であり、筋が伸張される位相でその発射活動が一過性に増える(動的反応)。いわば、筋の長さが変わる速さを検知する終末である。また、二次終末は核鎖線維にらせん状に絡みつく線維であるが、動的反応はほとんど見られない。これらの発射動態と照らし合わせ、得られた各終末の活動を分類する。両終末ともに筋を伸張して新しい長さに保持すると持続的に発射活動が生じる(静的反応)。
 また、受動的な筋伸張(例えば、三角波型やランプアンドホールド型の筋伸張等)による発射動態から、筋紡錘の錘内筋に終止する1. 一次終末(Ia群線維)および2. 二次終末(II群線維)由来の活動、についても分類できる<ref name=ref18><pubmed>2141632</pubmed></ref>。一次終末とは、筋紡錘を構成する錘内筋の核袋線維と核鎖線維の両者にらせん状に絡みつく線維であり、筋が伸張される位相でその発射活動が一過性に増える(動的反応)。いわば、筋の長さが変わる速さを検知する終末である。また、二次終末は核鎖線維にらせん状に絡みつく線維であるが、動的反応はほとんど見られない。これらの発射動態と照らし合わせ、得られた各終末の活動を分類する。両終末ともに筋を伸張して新しい長さに保持すると持続的に発射活動が生じる(静的反応)。


====γ運動線維活動に由来した筋の求心性活動====
====γ運動線維活動に由来した筋の求心性活動====

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