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==疾患との関わり== | ==疾患との関わり== | ||
===興奮毒性=== | ===興奮毒性=== | ||
[[ファイル:PSD proteins.jpg|thumb|right|300px|''' | [[ファイル:PSD proteins.jpg|thumb|right|300px|'''図2 シナプス後肥厚部の蛋白質'''<ref name=sheng_ann_rev_biochem><pubmed> 17243894 </pubmed></ref><br>Reprinted, with permission, from the Annual Review of Biochemistry, Volume 76 © 2007 by Annual Reviews www.annualreviews.org]] | ||
神経細胞の過剰な興奮は過剰なカルシウムの細胞内流入を引き起こし、細胞死を引き起こす。脳虚血では、シナプス前部からグルタミン酸が異常に流出し、神経細胞が死滅すると考えられている。 | |||
また、貝毒である[[ドーモイ酸]]は興奮性アミノ酸の一つであり、カイニン酸型受容体のアゴニストとして機能することにより、神経細胞死を引き起こす。これが[[wikipedia:ja:貝毒|貝毒]]による[[wikipedia:ja:食中毒|食中毒]]の病態機序と考えられている。 | |||
一方、通常食物に含まれる程度のグルタミン酸は血中へ入っても脳血液関門を越える事がないので、生理的条件下で中枢神経細胞に影響を与えるとは考えにくい。 | |||
===自閉症=== | ===自閉症=== | ||
ゲノム解析の結果より、[[自閉症関連遺伝子]]が同定された。それの中に[[Shank]]、[[neuroligin]]、[[neurexin]]といった、グルタミン酸性シナプスの構成要素が見いだされている。Shankはシナプス後部で[[Homer]]と共に[[シナプス後膜肥厚]]のframeworkを形成する。Neuroliginは、[[GKAP]]と[[PSD-95]]を介し、Shankと結合し、一方、[[シナプス前部]] | ゲノム解析の結果より、[[自閉症関連遺伝子]]が同定された。それの中に[[Shank]]、[[neuroligin]]、[[neurexin]]といった、グルタミン酸性シナプスの構成要素が見いだされている。Shankはシナプス後部で[[Homer]]と共に[[シナプス後膜肥厚]]のframeworkを形成する。Neuroliginは、[[GKAP]]と[[PSD-95]]を介し、Shankと結合し、一方、[[シナプス前部]]のneurexinと結合する(図2)。また、モデル動物においても、社会性の異常などが認められ、それは薬理学的なグルタミン酸伝達の増強によって是正される。この事は、中枢神経系におけるグルタミン酸性シナプス伝達の異常が[[自閉症]]を引き起こしている事を示唆する。ただし、これはごく一部の患者でしか認められず、自閉症全体を説明するものではない事に注意を要する。 | ||
==関連項目== | ==関連項目== |