「血液脳関門」の版間の差分

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== 実験手法  ==
== 実験手法  ==


[[Image:Tachikawa table 1.jpg|thumb|300px|表1.'''血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB)輸送機能研究の実験手法''']]
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| style="text-align:center" | 実験手法  
| style="text-align:center" | 実験手法  
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| style="text-align:center" | 解析内容
| style="text-align:center" | 解析内容
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| colspan="3" | ''In vivo'' BBB輸送解析法
| colspan="3" |  ''In vivo'' BBB輸送解析法
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| 静脈内投与法<br>(Integration plot法)  
| 静脈内投与法<br>(Integration plot法)  
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| 循環血液から脳方向のinflux輸送速度を解析<br>ヒト''in vivo'' BBB輸送解析が可能
| 循環血液から脳方向のinflux輸送速度を解析<br>ヒト''in vivo'' BBB輸送解析が可能
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| colspan="3" | ''In vitro'' BBB輸送解析法
| colspan="3" |  ''In vitro'' BBB輸送解析法
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| 単離脳毛細血管<br>(Capillary depletion法)<ref name="ref104"><pubmed></pubmed></ref>  
| 単離脳毛細血管<br>(Capillary depletion法)<ref name="ref104"><pubmed></pubmed></ref>  
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| Magnetic cell sorting<br> (MACS)<ref name="ref105"><pubmed></pubmed></ref>  
| Magnetic cell sorting<br> (MACS)<ref name="ref105"><pubmed></pubmed></ref>  
| げっ歯類
| げっ歯類  
| 単離脳血管から、高純度脳毛細血管内皮細胞を単離できる、収率は低いが、RT-PCRによるmRNAレベルでの発現解析可能
| 単離脳血管から、高純度脳毛細血管内皮細胞を単離できる、収率は低いが、RT-PCRによるmRNAレベルでの発現解析可能
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| 初代培養細胞<ref name="ref106"><pubmed></pubmed></ref>  
| 初代培養細胞<ref name="ref106"><pubmed>3734791</pubmed></ref>  
| げっ歯類
| げっ歯類  
| 脳毛細血管内皮細胞の単離培養が可能
| 脳毛細血管内皮細胞の単離培養が可能
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| ヒト遺伝子発現系を用いて、ヒトトランスポーターの機能解析ができる。標的定量プロテオミクスで、トランスポーターの発現量を計測することによって、単分子あたりの輸送活性を算出。
| ヒト遺伝子発現系を用いて、ヒトトランスポーターの機能解析ができる。標的定量プロテオミクスで、トランスポーターの発現量を計測することによって、単分子あたりの輸送活性を算出。
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| colspan="3" | トランスポーター/受容体のBBB発現局在性解析
| colspan="3" |  トランスポーター/受容体のBBB発現局在性解析
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| RT-PCR/イムノブロット  
| RT-PCR/イムノブロット  
| げっ歯類、ヒト
| げっ歯類、ヒト  
| mRNAレベルの発現検出
| mRNAレベルの発現検出
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| ''In situ''ハイブリダイゼーション<ref name="ref112"><pubmed></pubmed></ref>  
| ''In situ''ハイブリダイゼーション<ref name="ref112"><pubmed></pubmed></ref>  
| げっ歯類<br>ヒト
| げっ歯類<br>ヒト  
| mRNAレベルの発現検出、脳部位の判別可能
| mRNAレベルの発現検出、脳部位の判別可能
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| 免疫染色法、免疫電子顕微鏡法<ref name="ref112" />  
| 免疫染色法、免疫電子顕微鏡法<ref name="ref112" />  
| げっ歯類<br>ヒト
| げっ歯類<br>ヒト  
| 抗体を用いて脳毛細血管における発現解析、脳毛細血管内皮細胞の脳側膜、血液側膜の判別が可能、特異性の高い抗体が必要
| 抗体を用いて脳毛細血管における発現解析、脳毛細血管内皮細胞の脳側膜、血液側膜の判別が可能、特異性の高い抗体が必要
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| 標的絶対定量プロテオミクス<br>(Quantitative Targeted Absolute Proteomics, QTAP)<ref name="ref113"><pubmed></pubmed></ref>  
| 標的絶対定量プロテオミクス<br>(Quantitative Targeted Absolute Proteomics, QTAP)<ref name="ref113"><pubmed></pubmed></ref>  
| げっ歯類<br>ヒト
| げっ歯類<br>ヒト  
| 脳毛細血管に発現するタンパク質の絶対発現量を取得できる。抗体を用いずに、アミノ酸配列情報から定量系の確立が可能。''In vitro''輸送実験輸送解析系との組み合わせによって、''in vivo'' BBB輸送の予測が理論的に可能。  
| 脳毛細血管に発現するタンパク質の絶対発現量を取得できる。抗体を用いずに、アミノ酸配列情報から定量系の確立が可能。''In vitro''輸送実験輸送解析系との組み合わせによって、''in vivo'' BBB輸送の予測が理論的に可能。
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'''表1.血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB)輸送機能研究の実験手法'''
'''表1.血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB)輸送機能研究の実験手法'''  
 


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<br>  表1に、BBB研究で用いられる実験手法をまとめた。BBBにおける輸送システムを解明する研究は、functional genomicsを背景に、多様な実験手法が開発されたことで飛躍的に進んだ。主な研究手法は、以下の様に大別される。詳細は、総説<ref>'''寺崎哲也,大槻純男,上家潤一'''<br>3. 薬効組織(脳、腫瘍)への輸送特性の評価 1) 血液脳関門の透過性の評価 7:170-177 遺伝子医学MOOK 最新創薬学2007, <br>''メディカル ドゥ'':2007</ref>を参照されたい。  
 表1に、BBB研究で用いられる実験手法をまとめた。BBBにおける輸送システムを解明する研究は、functional genomicsを背景に、多様な実験手法が開発されたことで飛躍的に進んだ。主な研究手法は、以下の様に大別される。詳細は、総説<ref>'''寺崎哲也,大槻純男,上家潤一'''<br>3. 薬効組織(脳、腫瘍)への輸送特性の評価 1) 血液脳関門の透過性の評価 7:170-177 遺伝子医学MOOK 最新創薬学2007, <br>''メディカル ドゥ'':2007</ref>を参照されたい。  


#主にげっ歯類で開発された''in vivo''解析系を用いて、循環血液から脳方向及び脳から循環血液方向の物質輸送を速度論的に解析する方法。  
#主にげっ歯類で開発された''in vivo''解析系を用いて、循環血液から脳方向及び脳から循環血液方向の物質輸送を速度論的に解析する方法。  

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