「ミリストイル化」の版間の差分

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 [[プロテアーゼ]]によるタンパク質分解後の『翻訳後修飾』としての''N''-ミリストイル化が発見されて以来、新規ミリストイル化基質の探索が進められている。  
 [[プロテアーゼ]]によるタンパク質分解後の『翻訳後修飾』としての''N''-ミリストイル化が発見されて以来、新規ミリストイル化基質の探索が進められている。  


 ''N''-ミリストイル化タンパク質の検出には古くから[<sup>3</sup>H]-あるいは [<sup>125</sup>I]-ミリスチン酸を用いた[[wikipedia:Isotopic labeling|代謝標識法]](放射性同位元素を用いた代謝標識法)が用いられている。しかしながら、検出感度が低く存在量の少ないタンパク質に関しては検出が難しい。近年''N''-ミリストイル化のプローブとして放射性同位元素を用いずに代謝標識可能なミリスチン酸誘導体が開発されている。末端アルキルを有するミリスチン酸誘導体Alk-C14や[[wikipedia:ja:アジド基|アジド基]]を導入したAz-C12がその代表例である(図4)。前者は[[wikipedia:ja:クリックケミストリー|クリックケミストリー]]を利用して、後者はクリックケミストリーあるいは[[wikipedia:ja:シュタウディンガー反応|シュタウディンガー反応]]を利用して[[wikipedia:ja:ビオチン|ビオチン]]などのタグを導入することができ、各種[[アフィニティビーズ]]での精製、酵素消化の後に質量分析により、''N''-ミリストイル化タンパク質を同定することが可能である。また、[[蛍光]]色素を導入することで細胞内イメージングに利用することも可能である。詳しくは総説<ref><pubmed>20559317</pubmed></ref>が参考になる。 [[Image:Myristoylation Fig4.png|thumb|400px|図4 N-ミリストイル化タンパク質の検出方法]]  
 ''N''-ミリストイル化タンパク質の検出には古くから[<sup>3</sup>H]-あるいは [<sup>125</sup>I]-ミリスチン酸を用いた放射性[[wikipedia:Isotopic labeling|代謝標識法]]が用いられている。しかしながら、検出感度が低く存在量の少ないタンパク質に関しては検出が難しい。近年''N''-ミリストイル化のプローブとして放射性同位元素を用いずに代謝標識可能なミリスチン酸誘導体が開発されている。末端アルキルを有するミリスチン酸誘導体Alk-C14や[[wikipedia:ja:アジド基|アジド基]]を導入したAz-C12がその代表例である(図4)。前者は[[wikipedia:ja:クリックケミストリー|クリックケミストリー]]を利用して、後者はクリックケミストリーあるいは[[wikipedia:ja:シュタウディンガー反応|シュタウディンガー反応]]を利用して[[wikipedia:ja:ビオチン|ビオチン]]などのタグを導入することができ、各種[[アフィニティビーズ]]での精製、酵素消化の後に質量分析により、''N''-ミリストイル化タンパク質を同定することが可能である。また、[[蛍光]]色素を導入することで細胞内イメージングに利用することも可能である。詳しくは総説<ref><pubmed>20559317</pubmed></ref>が参考になる。 [[Image:Myristoylation Fig4.png|thumb|400px|'''図4 ''N''-ミリストイル化タンパク質の検出方法''']]


== 病理的意義  ==
== 病理的意義  ==

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