「マイネルト基底核」の版間の差分

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===皮質可塑性===
===皮質可塑性===
 音刺激やヒゲ刺激などの末梢感覚への刺激と、マイネルト核への電気刺激とを同時に繰り返し与えると、その末梢刺激に対する大脳皮質の神経細胞応答が増大する<ref><pubmed>9497289</pubmed></ref> <ref><pumbed>3384031</pubmed></ref>。この仕組みとして、マイネルト核の活性化によって大脳皮質で放出されたアセチルコリンがムスカリン性受容体を介して大脳皮質神経細胞を脱抑制し、これに引き続いて神経細胞の興奮性が亢進する機構が提唱されている<ref><pubmed>18004384</pubmed></ref>。さらにマイネルト核による皮質可塑性の発現には大脳皮質グリア細胞のCa<sup>2+</sup>活動が必要であるとの結果も報告されている<ref><pubmed>22159127</pubmed></ref>。なお、アルツハイマー病患者の脳ではマイネルト核の神経細胞が脱落することが知られている<ref><pubmed>7058341</pubmed></ref>。
 音刺激やヒゲ刺激などの末梢感覚への刺激と、マイネルト核への電気刺激とを同時に繰り返し与えると、その末梢刺激に対する大脳皮質の神経細胞応答が増大する<ref><pubmed>9497289</pubmed></ref> <ref><pubmed>3384031</pubmed></ref>。この仕組みとして、マイネルト核の活性化によって大脳皮質で放出されたアセチルコリンがムスカリン性受容体を介して大脳皮質神経細胞を脱抑制し、これに引き続いて神経細胞の興奮性が亢進する機構が提唱されている<ref><pubmed>18004384</pubmed></ref>。さらにマイネルト核による皮質可塑性の発現には大脳皮質グリア細胞のCa<sup>2+</sup>活動が必要であるとの結果も報告されている<ref><pubmed>22159127</pubmed></ref>。なお、アルツハイマー病患者の脳ではマイネルト核の神経細胞が脱落することが知られている<ref><pubmed>7058341</pubmed></ref>。


===血流制御===
===血流制御===