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Ano1/TMEM16A及びAno2/TMEM16Bの異常と神経系疾患との関連は未だ不明である。但し、Ano1/TMEM16AはそれがCaCCであることが判明する以前より悪性腫瘍、特に消化管間質腫瘍(GIST)で豊富に発現していることが知られており、それはその腫瘍の起源とされる消化管運動のペースメーカー細胞(カハールの介在細胞、interstitial cell of Cajal; ICC)がAno1を豊富に発現していることを反映するものと考えられている。<br> | Ano1/TMEM16A及びAno2/TMEM16Bの異常と神経系疾患との関連は未だ不明である。但し、Ano1/TMEM16AはそれがCaCCであることが判明する以前より悪性腫瘍、特に消化管間質腫瘍(GIST)で豊富に発現していることが知られており、それはその腫瘍の起源とされる消化管運動のペースメーカー細胞(カハールの介在細胞、interstitial cell of Cajal; ICC)がAno1を豊富に発現していることを反映するものと考えられている。<br> | ||
Best1については、卵黄状黄斑ジストロフィ(ベスト病)や硝子体網脈絡膜症の発症と関わる変異体が100種類以上知られており、それらの変異体の多くでCaCC機能の減退が認められている。しかし、その減退と発症機序との関連には不明点が多い。また、それらの変異体と神経・グリア機能の異常との関連等は未だ明らかになっていない。 | |||
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また、VSORはグルタミン酸、マキシアニオンチャネルはグルタミン酸及びATPに対する透過性を持つことから、これらは細胞間情報伝達にも寄与しうることが知られている<ref name="ref5" /><ref name="ref6" />。 | また、VSORはグルタミン酸、マキシアニオンチャネルはグルタミン酸及びATPに対する透過性を持つことから、これらは細胞間情報伝達にも寄与しうることが知られている<ref name="ref5" /><ref name="ref6" />。 | ||
===疾患との関連=== | |||
虚血性脳血管障害における過興奮性毒性(excitotoxicity)をもたらすグルタミン酸の大部分は、アストログリアからのVSORを介する放出によるものであることが以前から知られている<ref name="ref5" />。従って、脳浮腫軽減のための高浸透圧負荷は、VSOR活性化の抑制を通じて過興奮性毒性を軽減する意義もある。また、同障害時の細胞間ATPシグナリングにも重要な意義があり、マキシアニオンチャネルはそのATPの放出経路の一端を担うことが示されている<ref name="ref6" />。 | |||
== CFTR塩素チャネル == | == CFTR塩素チャネル == | ||
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=== 機能 === | === 機能 === | ||
上皮細胞におけるCFTRチャネルの主たる役割は、細胞外へのCl<sup>–</sup>流出を通じて細胞外への水の移動を促し、外分泌液量を確保することであるが、神経系におけるCFTRチャネルの機能は未だよく分かっていない。神経におけるチャネルの分布から、細胞内小胞構造内外のCl<sup>–</sup>や水の出入りを制御している可能性は考えられるが、未だ検討されていない。 | |||
===疾患との関連=== | |||
嚢胞性線維症では神経系の異常はあまり目立たないか、副次的ないし非特異的と考えられる場合が多いこともあり、チャネル異常により誘起されうる神経系の病態についても未だよく知られていない。 | |||
== 関連項目 == | == 関連項目 == |
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