「夢」の版間の差分

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レム睡眠時の夢の特徴がレム睡眠中の脳活動とよく一致するとしても、上述のように夢はノンレム睡眠中にも生じる。また、夢見の消失と脳の病変や器質的変化との関係を調べた研究から、レム睡眠発言の機構は夢の出現に必ずしも必要ではないと言う見解もある。  
レム睡眠時の夢の特徴がレム睡眠中の脳活動とよく一致するとしても、上述のように夢はノンレム睡眠中にも生じる。また、夢見の消失と脳の病変や器質的変化との関係を調べた研究から、レム睡眠発言の機構は夢の出現に必ずしも必要ではないと言う見解もある。  


主な知見として、(1) 前脳の破壊や病変によるドパミン回路の遮断はレム睡眠の出現には影響を及ぼさないが夢見を消失させ、さらに妄想、幻覚、思考障害などの統合失調症の陽性症状を軽減させること、(2) 。ドパミン回路の化学的活性化により陽性症状および過度の夢や悪夢が誘発されること、(3) ドパミン回路を遮断する抗精神病薬は、高頻度で出現する過剰で鮮烈な夢や悪夢を減少させる、などがある<ref name="ref8"><pubmed>11515144</pubmed></ref><ref>Hertmann &amp; Russ, 1980</ref>。  
主な知見として、(1) 前脳の破壊や病変によるドパミン回路の遮断はレム睡眠の出現には影響を及ぼさないが夢見を消失させ、さらに妄想、幻覚、思考障害などの統合失調症の陽性症状を軽減させること、(2) 。ドパミン回路の化学的活性化により陽性症状および過度の夢や悪夢が誘発されること、(3) ドパミン回路を遮断する抗精神病薬は、高頻度で出現する過剰で鮮烈な夢や悪夢を減少させる、などがある<ref name="ref7"><pubmed>11515144</pubmed></ref><ref>'''E HARTMANN, D RUSS, M OLDFIELD, R FALKE, B SKOFF'''<br>Dream content: Effects of L-DOPA.<br>''Sleep Res'', 1980: 9; 153</ref>。  


Solmsは、このような一連の知見に基づき、夢の発現機構として前脳のドパミン回路を想定した、前脳ドパミン仮説を提案している<ref name="ref8" />。  
Solmsは、このような一連の知見に基づき、夢の発現機構として前脳のドパミン回路を想定した、前脳ドパミン仮説を提案している<ref name="ref7" />。  


=== (3) ノンレム睡眠中の夢には覚醒過程が関与するという説  ===
=== (3) ノンレム睡眠中の夢には覚醒過程が関与するという説  ===
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上記の夢の定義のうち、(2) 物語風の構造、(3) 断続的で不調和、不安定な奇異的知覚特性、(4) 強烈な情動性などを夢の必要条件とした場合はノンレム睡眠からの夢の報告率は低くなる。一方、夢を「被験者が睡眠中に生じたとみなす精神活動」と広義にとらえれば、ノンレム睡眠からの夢の報告率は高くなる。われわれが一般に「夢を見た」と言う場合の夢は、主にレム睡眠中に見ている夢である。  
上記の夢の定義のうち、(2) 物語風の構造、(3) 断続的で不調和、不安定な奇異的知覚特性、(4) 強烈な情動性などを夢の必要条件とした場合はノンレム睡眠からの夢の報告率は低くなる。一方、夢を「被験者が睡眠中に生じたとみなす精神活動」と広義にとらえれば、ノンレム睡眠からの夢の報告率は高くなる。われわれが一般に「夢を見た」と言う場合の夢は、主にレム睡眠中に見ている夢である。  


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== 夢に関連した諸現象  ==
== 夢に関連した諸現象  ==
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