「プロテアソーム」の版間の差分

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 ごく最近、lidサブユニット群の位置情報がCryo-EMよる解析から明らかにされた<ref name=ref12><pubmed>22237024</pubmed></ref>。またbaseは6種のAAA型ATPaseサブユニット(Rpt1〜Rpt6)を含んでおり、この冠(Crown)型構造のATPaseリングは,CPのαリングと結合してその中央部のゲートを開き,基質タンパク質の通過を可能にさせる機能を有している他、ATPの加水分解エネルギーを利用してタンパク質の3次元構造を破壊(アンフォールディング)し,変性した基質がαリングを通ってβリングの内部に到達できるようにするアンチシャペロン作用を持っている<ref name=ref13><pubmed>19489727</pubmed></ref> <ref name=ref14><pubmed>17889660</pubmed></ref> <ref name=ref15><pubmed>21335235</pubmed></ref>(図3)。
 ごく最近、lidサブユニット群の位置情報がCryo-EMよる解析から明らかにされた<ref name=ref12><pubmed>22237024</pubmed></ref>。またbaseは6種のAAA型ATPaseサブユニット(Rpt1〜Rpt6)を含んでおり、この冠(Crown)型構造のATPaseリングは,CPのαリングと結合してその中央部のゲートを開き,基質タンパク質の通過を可能にさせる機能を有している他、ATPの加水分解エネルギーを利用してタンパク質の3次元構造を破壊(アンフォールディング)し,変性した基質がαリングを通ってβリングの内部に到達できるようにするアンチシャペロン作用を持っている<ref name=ref13><pubmed>19489727</pubmed></ref> <ref name=ref14><pubmed>17889660</pubmed></ref> <ref name=ref15><pubmed>21335235</pubmed></ref>(図3)。


==PA28==
===PA28===


 他方、RP/PA700以外の活性化因子としては、PA28(α,β,γの3種のファミリーを構成)が存在する他<ref name=ref16><pubmed>10600633</pubmed></ref> <ref name=ref17><pubmed>21211719</pubmed></ref>、20Sプロテアソームの両端にPA700とPA28の両調節ユニットを併せ持った“ハイブリッドプロテアソーム”も存在する<ref name=ref18><pubmed>10799514</pubmed></ref>。ヘテロ7量体のPA28α/β(細胞質局在)はIFNγによって強く誘導され、内在性抗原のプロセッシングに関与している。ホモ7量体を形成しているPA28γ(核局在)の欠損マウスは成長が遅延する。さらにPA200と名付けられた活性化因子が酵母からヒトまで普遍的に存在するが、その役割は諸説あって確定していない<ref name=ref><pubmed>21389348</pubmed></ref>。また20Sプロテアソームが上記の活性化因子の介在なしに単独で、天然変成タンパク質や酸化修飾タンパク質を直接分解することも報告されている<ref name=ref20><pubmed>18636510</pubmed></ref> <ref name=ref21><pubmed>20498273</pubmed></ref>。このようにプロテアソームの作動機構は、複雑かつ多様である。
 他方、RP/PA700以外の活性化因子としては、PA28(α,β,γの3種のファミリーを構成)が存在する他<ref name=ref16><pubmed>10600633</pubmed></ref> <ref name=ref17><pubmed>21211719</pubmed></ref>、20Sプロテアソームの両端にPA700とPA28の両調節ユニットを併せ持った“ハイブリッドプロテアソーム”も存在する<ref name=ref18><pubmed>10799514</pubmed></ref>。ヘテロ7量体のPA28α/β(細胞質局在)はインターフェロンγによって強く誘導され、内在性抗原のプロセッシングに関与している。ホモ7量体を形成しているPA28γ(核局在)の欠損マウスは成長が遅延する。
 
===PA200===
 
 酵母からヒトまで普遍的に存在するが、その役割は諸説あって確定していない<ref name=ref><pubmed>21389348</pubmed></ref>


==プロテアソーム複合体形成に関与するシャペロン分子==
==プロテアソーム複合体形成に関与するシャペロン分子==

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