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 1990年にLevyらにより[[wikipedia:ja:常染色体優性遺伝|常染色体優性遺伝]]形式のアミロイドーシスを伴う[[遺伝性脳出血]]Dutch typeの病因として21番染色体上の''APP''の変異が同定され<ref><pubmed> 2111584 </pubmed></ref>、翌1991年に早期発症の家族性ADの原因遺伝子として''APP''の変異が報告された<ref><pubmed> 1671712 </pubmed></ref>。これにより、21番染色体トリソミーの[[Down症候群]]で若年性に老人斑が出現する理由が''APP''の重複のためらしいと判明した。現在までに9の遺伝子重複と23の点突然変異と1の部分欠失(1アミノ酸欠失であるE693Δ;剖検例はなくADの亜型としてよいか不明だが、ホモ接合体は認知症を呈する)の報告がある。''APP''の遺伝子産物は全長770アミノ酸だが、点突然変異はC末端寄りの膜貫通部位近傍に集中しており、[[βセクレターゼ]]切断部位とγセクレターゼ切断部位付近の変異が多い。全ての変異がAβの配列内に位置するわけではない。最初に変異が同定された家系のように、変異によっては脳アミロイドアンギオパチーが前面に立つ。
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 1990年にLevyらにより[[wikipedia:ja:常染色体優性遺伝|常染色体優性遺伝]]形式のアミロイドーシスを伴う[[遺伝性脳出血]]Dutch typeの病因として21番染色体上の''APP''の変異が同定され<ref><pubmed> 2111584 </pubmed></ref>、翌1991年に早期発症の家族性ADの原因遺伝子として''APP''の変異が報告された<ref><pubmed> 1671712 </pubmed></ref>。これにより、21番染色体トリソミーの[[ダウン症候群]]で若年性に老人斑が出現する理由が''APP''の重複のためらしいと判明した。現在までに9の遺伝子重複と23の点突然変異と1の部分欠失(1アミノ酸欠失であるE693Δ;剖検例はなくADの亜型としてよいか不明だが、ホモ接合体は認知症を呈する)の報告がある。''APP''の遺伝子産物は全長770アミノ酸だが、点突然変異はC末端寄りの膜貫通部位近傍に集中しており、[[βセクレターゼ]]切断部位とγセクレターゼ切断部位付近の変異が多い。全ての変異がAβの配列内に位置するわけではない。最初に変異が同定された家系のように、変異によっては脳アミロイドアンギオパチーが前面に立つ。
    
 2012年にADや加齢による認知機能低下を生じにくい変異として、''APP'' A673T変異が報告された<ref><pubmed> 22801501 </pubmed></ref>。この変異の1/オッズ比(odds ratio、OR)は4.24と高い保護効果が推測されるが、極めて頻度の低い変異である。β切断部位近傍であり、β切断を受けにくくなることがアルツハイマー病の発症に保護的に働くと考えられている。
 
 2012年にADや加齢による認知機能低下を生じにくい変異として、''APP'' A673T変異が報告された<ref><pubmed> 22801501 </pubmed></ref>。この変異の1/オッズ比(odds ratio、OR)は4.24と高い保護効果が推測されるが、極めて頻度の低い変異である。β切断部位近傍であり、β切断を受けにくくなることがアルツハイマー病の発症に保護的に働くと考えられている。

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