「ホスファチジルイノシトール」の版間の差分

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=== PI(4,5)P<sub>2</sub>  ===
=== PI(4,5)P<sub>2</sub>  ===
====生合成====
====生合成====
 PI(4,5)P<sub>2</sub>はPIからホスファチジルイノシトール4キナーゼ(PI4K)およびホスファチジルイノシトール1リン酸5キナーゼ(PIP5K)によって産生され、PLCの基質となる脂質である。また、PI3キナーゼによってPI(3,4,5)P<sub>3</sub>を産生する際の基質となる。また、PI(3,4,5)P<sub>3</sub>がPTENによって脱リン酸化されてできる経路も存在する。
 PI(4,5)P<sub>2</sub>はPIから[[wikipedia:1-phosphatidylinositol_4-kinase|ホスファチジルイノシトール4キナーゼ]](PI4K)および[[wikipedia:1-phosphatidylinositol-4-phosphate 5-kinase|ホスファチジルイノシトール1リン酸5キナーゼ]](PIP5K)によって産生され、フォスフォリパーゼCの基質となる脂質である。また、[[wikipedia:ja:PI3キナーゼ|PI3キナーゼ]]によってPI(3,4,5)P<sub>3</sub>を産生する際の基質となる。また、PI(3,4,5)P<sub>3</sub>が[[wikipedia:ja:PTEN|PTEN]]によって脱リン酸化されてできる経路も存在する。
 
====機能====
====機能====
PI(4,5)P<sub>2</sub>はビンキュリンなどのアクチン重合調節タンパク質、細胞接着分子、クラスリン、キネシンに結合する。また、イオンチャンネルであるtransient receptor potential family of proteins (TRPC)の細胞質領域に結合してその活性を負に調節して、細胞外からのナトリウムやカルシウムの流入を抑制している。カリウムチャンネルKir2.1の細胞質領域にある塩基性アミノ酸とも結合し、チャンネルを開く活性を持つ。アンデルセン症候群やバーター症候群の患者ではこの分子にPI(4,5)P2に結合できない変異を持つ場合がある。
PI(4,5)P<sub>2</sub>はビンキュリンなどのアクチン重合調節タンパク質、細胞接着分子、クラスリン、キネシンに結合する。また、イオンチャンネルであるtransient receptor potential family of proteins (TRPC)の細胞質領域に結合してその活性を負に調節して、細胞外からのナトリウムやカルシウムの流入を抑制している。カリウムチャンネルKir2.1の細胞質領域にある塩基性アミノ酸とも結合し、チャンネルを開く活性を持つ。アンデルセン症候群やバーター症候群の患者ではこの分子にPI(4,5)P2に結合できない変異を持つ場合がある。