「グルココルチコイド」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/mayuminishi/?lang=japanese 西 真弓]</font><br>
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''奈良県立医科大学第一解剖学講座''<br>
''奈良県立医科大学第一解剖学講座''<br>
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年4月17日 原稿完成日:2013年5月XX日<br>担当編集委員:[http://researchmap.jp/2rikenbsi/?lang=japanese 林 康紀](理化学研究所)<br>
DOI [[XXXX]]/XXXX 原稿受付日:2012年4月17日 原稿完成日:2013年5月XX日<br>担当編集委員:[http://researchmap.jp/2rikenbsi/?lang=japanese 林 康紀](理化学研究所)<br>
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====細胞内局在 ====
====細胞内局在 ====
 GRおよびMRの細胞内局在に関しては、免疫組織化学法を用いた実験により、両受容体とも正常ラットでは主として核内に分布すると考えられているが、大脳皮質の錐体細胞や海馬においては、細胞質にもその分布が報告されている<ref name=ref8><pubmed>1770174</pubmed></ref>。また、両側副腎を摘出(ADX)して血中コルチコステロンを除去すると、GRの核内免疫活性が消失することが示されている<ref name=ref9><pubmed>9151715</pubmed></ref>。近年[[蛍光タンパク質|green fluorescent protein]] ([[GFP]])を受容体のtag分子として用いる方法が開発され、細胞を固定・透過化することなく、生きている細胞内で受容体の局在を解析することが可能となった。その結果、[[初代培養|培養神経細胞]]および非神経細胞の両者においてGRは[[リガンド]]の非存在下では主として細胞質に分布し、リガンドの添加により速やかに核内へ移行することが明らかとなった<ref name=ref10><pubmed>16514009</pubmed></ref>。
 GRおよびMRの細胞内局在に関しては、[[免疫組織化学法]]を用いた実験により、両受容体とも正常ラットでは主として核内に分布すると考えられているが、大脳皮質の錐体細胞や海馬においては、細胞質にもその分布が報告されている<ref name=ref8><pubmed>1770174</pubmed></ref>。また、両側副腎を摘出(ADX)して血中コルチコステロンを除去すると、GRの核内免疫活性が消失することが示されている<ref name=ref9><pubmed>9151715</pubmed></ref>。近年[[蛍光タンパク質|green fluorescent protein]] ([[GFP]])を受容体のtag分子として用いる方法が開発され、細胞を固定・透過化することなく、生きている細胞内で受容体の局在を解析することが可能となった。その結果、[[初代培養|培養神経細胞]]および非神経細胞の両者においてGRは[[リガンド]]の非存在下では主として細胞質に分布し、リガンドの添加により速やかに核内へ移行することが明らかとなった<ref name=ref10><pubmed>16514009</pubmed></ref>。


 一方、近年の研究から従来の核内での転写因子としての作用に加えて、グルココルチコイドは急性作用にも関与することが報告されており、従来のGRが膜に存在して作用するのか、新たな[[Gタンパク質共役受容体]]が存在するのかが議論されている。こうしたグルココルチコイドの急性作用には、[[エンドカンナビノイド]]、[[NMDA型グルタミン酸受容体]]、[[GABA受容体]]等を介した作用も報告されている<ref name=ref11><pubmed>22201787</pubmed></ref>。
 一方、近年の研究から従来の核内での転写因子としての作用に加えて、グルココルチコイドは急性作用にも関与することが報告されており、従来のGRが膜に存在して作用するのか、新たな[[Gタンパク質共役受容体]]が存在するのかが議論されている。こうしたグルココルチコイドの急性作用には、[[エンドカンナビノイド]]、[[NMDA型グルタミン酸受容体]]、[[GABA受容体]]等を介した作用も報告されている<ref name=ref11><pubmed>22201787</pubmed></ref>。

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