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Yusukemoriguchi (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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== チンパンジーを対象にした鏡像認知 == | == チンパンジーを対象にした鏡像認知 == | ||
Gallupは,チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて,その様子を観察した<ref>< | Gallupは,チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて,その様子を観察した<ref>'''Gordon G. Gallup, Jr.'''<br>Chimpanzees:self-recognition<br>''Science'':1970, 167, 86-87</ref>。鏡を見せた当初は,鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど,その像が自分であるとは認識している様子はなく,むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが,数日もたつとこのような行動はなくなり,むしろ,鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど,自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マークテストを実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に,眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして,麻酔から醒めた後に,チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果,鏡を見せる前には,チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して,鏡を見せた後にはその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから,チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。 | ||
このマークテストは,自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており,霊長類以外ではイルカやアジアゾウなどは自己像について感受性があるという結果が示されている<ref><pubmed>11331768</pubmed></ref><ref><pubmed>17075063</pubmed></ref>。サルについては,訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている<ref>'''Shoji Itakura'''<br>Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata)<br>''Primates'':1987, 28, 3, 343-352</ref>。 | このマークテストは,自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており,霊長類以外ではイルカやアジアゾウなどは自己像について感受性があるという結果が示されている<ref><pubmed>11331768</pubmed></ref><ref><pubmed>17075063</pubmed></ref>。サルについては,訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている<ref>'''Shoji Itakura'''<br>Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata)<br>''Primates'':1987, 28, 3, 343-352</ref>。 |
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