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生後まもない新生児が、他者の顔の動きなどを[[模倣]]する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した<ref><pubmed> 897687 </pubmed></ref>。ヒトに限らず,チンパンジーなどの他種においても見られる<ref><pubmed> 15484592 </pubmed></ref> | 生後まもない新生児が、他者の顔の動きなどを[[模倣]]する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した<ref><pubmed> 897687 </pubmed></ref>。ヒトに限らず,チンパンジーなどの他種においても見られる<ref><pubmed> 15484592 </pubmed></ref>。ヒトの新生児模倣の様子は動画1などで確認することができる。認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetは,乳児の模倣行動は,象徴機能が発生する2歳前後になってから観察されると考えていた<ref>'''Jean Piaget, Barbel Inhelder'''<br>The psychology of the child<br>''Basic Books: New York'':1969</ref>。このような考えがまだ根強く残っていた時代において,生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え,乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは,新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に,"like me"理論を提唱している<ref><pubmed> 17081488 </pubmed></ref>。この理論は、新生児模倣が心の理論などの他者理解の発達の基盤にあるという考えである。この理論によると,乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりに感受性がある。次の段階で、自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き,最終的に,これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。 | ||
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| <div class="thumb right" style="width:300px;"><youtube>k2YdkQ1G5QI</youtube></div> | |||
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| '''動画. βニューレキシンとニューロリギン複合体の3次元構造'''<br>2分子のニューレキシンと2分子のニューロリギンが[[カルシウム]]依存的に相互作用する。 | |||
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== 模倣であるかについての議論 == | == 模倣であるかについての議論 == |