9,444
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
44行目: | 44行目: | ||
====== 神経線維腫症 ====== | ====== 神経線維腫症 ====== | ||
皮下や筋肉などの軟部組織に発生する良性の腫瘍。局所の圧痛が生じる。成人に見られ、男女差はない。NF1あるいはNF2が責任遺伝子と示唆されており、それぞれ神経線維腫症1型2型に分類され、どちらも難病指定されている。2型は聴神経鞘腫悪性化がしばしば観察され、神経鞘腫と合併することがある。 | 皮下や筋肉などの軟部組織に発生する良性の腫瘍。局所の圧痛が生じる。成人に見られ、男女差はない。NF1あるいはNF2が責任遺伝子と示唆されており、それぞれ神経線維腫症1型2型に分類され、どちらも難病指定されている。2型は聴神経鞘腫悪性化がしばしば観察され、神経鞘腫と合併することがある。 | ||
60行目: | 59行目: | ||
中枢神経系と異なり、切断あるいは挫傷の後、細胞死を免れた末梢神経は再生する。再生能力が乏しい中枢神経であっても、移植した末梢神経組織の中では再生していく様子が、中枢神経損傷ラットの延髄と脊髄の間に坐骨神経を移植する実験から示されている<ref><pubmed>7360259</pubmed></ref>。このことから、末梢神経組織は中枢神経組織と比較し再生に適した環境と考えられている。 | 中枢神経系と異なり、切断あるいは挫傷の後、細胞死を免れた末梢神経は再生する。再生能力が乏しい中枢神経であっても、移植した末梢神経組織の中では再生していく様子が、中枢神経損傷ラットの延髄と脊髄の間に坐骨神経を移植する実験から示されている<ref><pubmed>7360259</pubmed></ref>。このことから、末梢神経組織は中枢神経組織と比較し再生に適した環境と考えられている。 | ||
神経回路の再生は、損傷により断片化された組織が除去された後に、軸索が再伸長して完成する。損傷を受け活性化したシュワン細胞は、マクロファージの遊走性を高める。その結果、損傷部分で断片化した神経組織の貧食が進み、軸索の再生に適した場を提供する。 | 神経回路の再生は、損傷により断片化された組織が除去された後に、軸索が再伸長して完成する。損傷を受け活性化したシュワン細胞は、マクロファージの遊走性を高める。その結果、損傷部分で断片化した神経組織の貧食が進み、軸索の再生に適した場を提供する。 | ||
68行目: | 67行目: | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references/> | <references/> | ||
この用語にリダイレクトする同義語:髄鞘 | この用語にリダイレクトする同義語:髄鞘 | ||
この用語にリダイレクトする関連語:オリゴデンドロサイト、軸索再生、伝導、髄鞘化 | この用語にリダイレクトする関連語:オリゴデンドロサイト、軸索再生、伝導、髄鞘化 | ||
(執筆者:村松里衣子、山下俊英、担当編集委員:尾藤晴彦) | (執筆者:村松里衣子、山下俊英、担当編集委員:尾藤晴彦) |