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共同注意

100 バイト追加, 2013年11月7日 (木) 17:01
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==共同注意とは==
 ヒトにおいて、狭義の共同注意に関する行動はだいたい生後9か月頃から出現すると言われている。それは、大人がいる時に乳児が見てほしいものを指さす(指さし行動)、大人がある対象物を見てそれを乳児も見る(視線追従)、乳児がある対象に対する評価を大人の表情などを見ることで参考にする(社会的参照)などである<ref>'''M Tomasello'''<br>The cultural origins of human cognition<br>''Cambridge, MA: Harvard University Press'':1999</ref>。この狭義の共同注意では、乳児は、大人の行動の意図をある程度理解し、注意対象に対する態度(例:それは危ないから近づいてはいけない)を共有していると考えられている。ただし、最近は、他者の意図理解の伴わない乳児の視線の移動など、3・4か月頃に見られるより単純な行動も広義の共同注意とされ研究されている。この狭義の共同注意では、乳児は、大人の行動の意図をある程度理解し、注意対象に対する態度(例:それは危ないから近づいてはいけない)を共有していると考えられている。ただし、最近は、他者の意図理解の伴わない乳児の視線の移動など、3・4か月頃に見られる、より単純な行動も広義の共同注意とされ研究されている<ref name=ref1>'''E Redcay, R Saxe'''<br> Do you see what I see? The neural bases of joint attention.<br>In J Metcalfe, HS Terrace (Eds.), Agency and joint attention.<br>''New York, NY: Oxford University Press'':2013</ref>。類似の概念として、自己と他者とその注意共有対象となるものの3者の関係を表す。類似の概念として、自己と他者とその注意共有対象となるものの三者の関係を表す[[三項関係]]があり、三項関係において共同注意は達成されているとする。一方、三項関係以前の、注意共有対象を含まない自己と他者だけの1対1のコミュニケーションは二項関係と呼ばれ、三項関係とは区別される。があり、三項関係において共同注意は達成されているとする。一方、三項関係以前の、注意共有対象を含まない自己と他者だけの1対1のやりとりは二項関係と呼ばれ、三項関係とは区別される。
==共同注意の発達==
    自分自身や他者の考えが理解できる
 共同注意は、乳児が他者の発話時にその対象物を見ることで言語を学習できることから言語学習との関連、相手の心的状態の推測と関係することから心の理論(社会的認知)との関連などが指摘されており、そのことを実証的に支持する研究がある 共同注意は、乳児が他者の発話時にその対象物を見ることで言語を学習できることから言語学習との関連、相手の心的状態の推測と関係することから心の理論(社会的認知)との関連が指摘されており、そのことを実証的に支持する研究がある<ref><pubmed>16246245</pubmed></ref><ref><pubmed>19046153</pubmed></ref><ref><pubmed>3802971</pubmed></ref>。
==共同注意の種類==
 共同注意は、その行為の受け手と出し手の観点から、共同注意への応答 (Responding to Joint Attention; RJA)と共同注意の開始(Initiating Joint Attention; IJA)に分けられる<ref><pubmed>19343102</pubmed></ref>。共同注意への応答は、受け手の行動、つまり、対象となるものを共有するために他者の視線やジェスチャーの方向を追従する能力を指し、共同注意の開始は、出し手の行動、つまり、他者の注意を物体・出来事・出し手本人へ注意を向けるためのジェスチャーやアイコンタクトの使用を指す。
 また、共同注意は、その行動の動機づけに基づき、命令的共同注意(imperative joint attention)と叙述的共同注意(declarative joint attention)に分けられる<ref>'''E Bates, L Camaioni, V Volterra'''<br>The acquisition of performatives prior to speech.<br>''Merrill-Palmer Quart.'':1975, 21;205–226</ref>。命令的共同注意は、自分が欲しいものを他者に伝えようとする要求の指差しなどの行動である(例:手の届かない食べ物を指差す)。叙述的共同注意は、自分が他者に見てもらいたいものを他者に伝えようとする叙述の指差しなどの行動である(例:遠くを飛んでいる飛行機を指差す)。Mundyら<ref name=ref2>'''P Mundy, M Sigman, C Kasari'''<br> The theory of mind and joint-attention deficits in autism.<br>In S Baron-Cohen, H Tager-Flusberg, DJ Cohen (Eds.), Understanding other minds: Perspectives from Autism.<br>''Oxford: Oxford University Press'':1993, pp.181–203</ref>によれば、叙述的共同注意は命令的共同注意に比べ、相手の心的状態の推測をより必要とすることから高度な社会的認知能力が関わると考えられている。それに関連して、乳児を対象とした実証研究では、社会的認知能力と叙述の指差しの行動頻度が関連するものの要求の指差しには関連が見られないということが報告されているによれば、叙述的共同注意は命令的共同注意に比べ、相手の心的状態の推測をより必要とすることから高度な社会的認知能力が関わると考えられている。乳児を対象とした実証研究では、社会的認知能力と叙述の指差しの行動頻度が関連するものの要求の指差しには関連が見られないということが報告されている<ref>'''L Camaioni, P Perucchini, F Bellagamba, C Colonnesi'''<br>The role of declarative pointing in developing a theory of mind.<br>''Infancy'':2004, 5;291–308</ref>。最近では、同様の意味で、より分かりやすく、命令的に代わり要求(requestive)、叙述的に代わり共有(sharing)という用語も使われている<ref><pubmed>21159088</pubmed></ref>。
==共同注意の障害==
 社会性・コミュニケーションに困難を抱える[[自閉症スペクトラム障害]]を持つ者では、共同注意にも困難を抱えることが示されており、特に、命令的共同注意ではなく、叙述的共同注意の出現が遅れる、または、見られないということが報告されている<ref><pubmed>690064</pubmed></ref><ref name=ref2 />。また、最近では、共同注意の開始は[[自閉症スペクトラム障害]]の障害特性として明確に見られるものの、共同注意への応答の障害は自閉症スペクトラム障害特異的か全般に見られるかについて議論があるの障害特性として明確に見られるものの、共同注意への応答の障害は[[自閉症]]スペクトラム障害固有の症状かどうか(他の[[発達障害]]でも見られる可能性)、また、自閉症スペクトラム障害を持つ者全般に見られるかどうかについて議論がある<ref>'''P Mundy'''<br> The Social behavior of autism: A parallel and distributed information processing perspective.<br>In DG Amaral, G Dawson, DH Geschwind (Eds.), [[Autism Spectrum Disorders|Autism spectrum disorders]].<br>''Oxford: Oxford University Press'':2011, pp.149–171</ref>。
==共同注意の神経基盤==
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