「オレキシン」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
12行目: 12行目:
同義語:ヒポクレチン (hypocretin)
同義語:ヒポクレチン (hypocretin)


{{box|text=
{{box|text=オレキシンとは、[[神経ペプチド]]の一種である。[[摂食中枢]]として知られる[[視床下部]]外側野限局するニューロンに局在し、また[[wikipedia:ja:ラット|ラット]]や[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]に[[脳室]]内投与すると摂食量が上昇すること、絶食によって発現が亢進することなどから、当初、[[摂食行動]]の制御因子の一つとして注目を浴びた。その後、オレキシンやその[[受容体]]の変異動物モデルの解析、および臨床的研究によりオレキシン産生ニューロンの変性・脱落が[[ナルコレプシー]]の原因であることが明らかになり、この物質が[[覚醒]]の維持にも重要な役割を担っていることが明らかになった。さらに、各種[[遺伝子改変マウス]]の解析によるオレキシン産生ニューロンの入出力系の解明により、[[大脳辺縁系]]、摂食行動の制御系、覚醒制御システムとの相互の関係が明らかになった。オレキシン系は[[睡眠]]・覚醒調節機構の重要な要素であるだけでなく、[[情動]]やエネルギーバランスに応じ、睡眠・覚醒や[[報酬系]]そして摂食行動を適切に制御する統合的な機能を担っている。}}
 オレキシンを産生するニューロンは[[摂食中枢]]として知られる[[視床下部]]外側野に限局して存在し、[[wikipedia:ja:ラット|ラット]]や[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]に[[脳室]]内投与すると摂食量が上昇することや、絶食によって発現が亢進することなどから、当初、オレキシンは[[摂食行動]]の制御因子の一つとして注目を浴びた。その後、オレキシンやその[[受容体]]の変異動物モデルの解析、および臨床的研究によりオレキシン産生ニューロンの変性・脱落が[[ナルコレプシー]]の原因であることが明らかになり、この物質が[[覚醒]]の維持にも重要な役割を担っていることが明らかになった。さらに、各種[[遺伝子改変マウス]]の解析によるオレキシン産生ニューロンの入出力系の解明により、[[大脳辺縁系]]、摂食行動の制御系、覚醒制御システムとの相互の関係が明らかになってきた。オレキシン系は[[睡眠]]・覚醒調節機構の重要な要素であるだけでなく、[[情動]]やエネルギーバランスに応じ、睡眠・覚醒や[[報酬系]]そして摂食行動を適切に制御する統合的な機能を担っていると考えられている。
}}
          
          
==オレキシンとは==
==オレキシンとは==
48行目: 46行目:
|遺伝子名はAllen Brain Atlasの[[in situハイブリダイゼーション|''in situ''ハイブリダイゼーション]]データーへのリンク
|遺伝子名はAllen Brain Atlasの[[in situハイブリダイゼーション|''in situ''ハイブリダイゼーション]]データーへのリンク
|}
|}
== 発現(組織分布、細胞内分布) ==
== 発現(組織分布、細胞内分布) ==


案内メニュー