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英:amyloidosis | 英:amyloidosis | ||
{{box|text= [[アミロイド]]amyloidは[[wikipedia:ja:コンゴーレッド|コンゴーレッド]]染色でオレンジ色に染まり、[[wikipedia:ja:偏光顕微鏡|偏光顕微鏡]]で緑色偏光を呈し、[[wikipedia:ja:電子顕微鏡|電子顕微鏡]] | {{box|text= [[アミロイド]]amyloidは[[wikipedia:ja:コンゴーレッド|コンゴーレッド]]染色でオレンジ色に染まり、[[wikipedia:ja:偏光顕微鏡|偏光顕微鏡]]で緑色偏光を呈し、[[wikipedia:ja:電子顕微鏡|電子顕微鏡]]観察下では7~15nmの繊維構造を呈する物質である。アミロイドが、組織間隙に沈着して臓器の機能不全が生じる疾患をアミロイドーシス amyloidosisと呼ぶ<ref><pubmed> 22664198 </pubmed></ref>。アミロイドタンパク質の種類や臓器によって特徴が見られ、大きく[[全身性アミロイドーシス]]と[[限局性アミロイドーシス]]に分類される。代表的な全身性アミロイドーシスには、全身性AAアミロイドーシス、家族性アミロイドニューロパチーが挙げられる。限局性アミロイドーシスには脳アミロイドーシスである、[[アルツハイマー病]]、[[脳血管アミロイドアンギオパチー]]、遺伝性アミロイド性脳出血で、[[クロイツフェルト・ヤコブ病]]などが知られている。。基本的には、アミロイドーシス発症の分子病態は凝集するアミロイドタンパク質の濃度上昇か、凝集能亢進によるものである。したがってアミロイドタンパク質の除去が根本治療戦略となる。}} | ||
(編集コメント:元の抄録はアミロイドそのものの抄録でしたので、アミロイドーシスの内容としました) | (編集コメント:元の抄録はアミロイドそのものの抄録でしたので、アミロイドーシスの内容としました) | ||
==アミロイドーシスとは== | ==アミロイドーシスとは== | ||
アミロイドamyloidはコンゴーレッド染色でオレンジ色に染まり、偏光顕微鏡で緑色偏光を呈し、電子顕微鏡観察下では7~15nmの繊維構造を呈する物質として定義される。アミロイドが、組織間隙に沈着する疾患を総称してアミロイドーシス amyloidosisと呼ぶ<ref><pubmed> 22664198 </pubmed></ref>。多くの場合、前駆タンパクであるアミロイドタンパク質が折りたたみ障害を引き起こして重合し、[[wikipedia:ja:βシート|βシート]] | アミロイドamyloidはコンゴーレッド染色でオレンジ色に染まり、偏光顕微鏡で緑色偏光を呈し、電子顕微鏡観察下では7~15nmの繊維構造を呈する物質として定義される。アミロイドが、組織間隙に沈着する疾患を総称してアミロイドーシス amyloidosisと呼ぶ<ref><pubmed> 22664198 </pubmed></ref>。多くの場合、前駆タンパクであるアミロイドタンパク質が折りたたみ障害を引き起こして重合し、[[wikipedia:ja:βシート|βシート]]構造に富む不溶性線維として蓄積・凝集している | ||
沈着するアミロイドタンパク質の種類や臓器によって特徴が見られ、特に大きく全身性アミロイドーシスと限局性アミロイドーシスに分類されている。 | 沈着するアミロイドタンパク質の種類や臓器によって特徴が見られ、特に大きく全身性アミロイドーシスと限局性アミロイドーシスに分類されている。 | ||
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(編集コメント:病名、原因物質と沈着するタンパク質を表か箇条書きに出来ないでしょうか。) | (編集コメント:病名、原因物質と沈着するタンパク質を表か箇条書きに出来ないでしょうか。) | ||
===全身性アミロイドーシス=== | ===全身性アミロイドーシス=== | ||
アミロイドタンパク質が血中に存在する場合は全身性アミロイドーシスとなる<ref><pubmed> 23451869 </pubmed></ref>。 | アミロイドタンパク質が血中に存在する場合は全身性アミロイドーシスとなる<ref><pubmed> 23451869 </pubmed></ref>。 | ||
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アミロイド線維が発揮する細胞障害および毒性はアミロイドーシスにおける臓器不全の基本的病態と言える。アミロイド沈着後に生じる疾患プロセスを抑制する治療薬の開発のためにも、その理解は必須である。しかしアミロイドタンパク質のどのような構造、分子状態が毒性を発揮するのかについては未だ明確ではない。近年ではAβとFAD変異がもたらす分子病態の解析から、アミロイド線維そのものではなく、その中間体となるオリゴマー<ref><pubmed> 12702875 </pubmed></ref>に起因しているというオリゴマー仮説が提唱されている。 | アミロイド線維が発揮する細胞障害および毒性はアミロイドーシスにおける臓器不全の基本的病態と言える。アミロイド沈着後に生じる疾患プロセスを抑制する治療薬の開発のためにも、その理解は必須である。しかしアミロイドタンパク質のどのような構造、分子状態が毒性を発揮するのかについては未だ明確ではない。近年ではAβとFAD変異がもたらす分子病態の解析から、アミロイド線維そのものではなく、その中間体となるオリゴマー<ref><pubmed> 12702875 </pubmed></ref>に起因しているというオリゴマー仮説が提唱されている。 | ||
このアミロイドタンパク質の凝集物がどのように細胞傷害を惹起しているか、という点については、[[脂質二重膜]]の障害、[[酸化的ストレス]]や[[小胞体ストレス]]の惹起、[[ミトコンドリア]]障害などが想定されている<ref><pubmed> 23820032 </pubmed></ref>。興味深いことに、全く異なるアミロイド原性タンパク質であるAβとADanが脳実質に蓄積するそれぞれの疾患モデルマウスを、神経障害と関連するtauトランスジェニックマウスと交配すると、いずれの場合もtau病理が亢進されることが示された<ref><pubmed> 20385796 </pubmed></ref>。これは少なくとも[[大脳皮質]]に沈着するアミロイドが示す神経細胞傷害プロセスの下流には共通性があることを示唆している。すなわち、アミロイド原性タンパク質の種類を問わず、どのような線維がどの細胞や臓器に沈着するかによって最終的にアミロイドーシスにおける病態が決定する可能性が考えられている。またAβが細胞外から神経細胞毒性を呈するために毒性受容体が想定さられており、[[NMDA型]]および[[ | このアミロイドタンパク質の凝集物がどのように細胞傷害を惹起しているか、という点については、[[脂質二重膜]]の障害、[[酸化的ストレス]]や[[小胞体ストレス]]の惹起、[[ミトコンドリア]]障害などが想定されている<ref><pubmed> 23820032 </pubmed></ref>。興味深いことに、全く異なるアミロイド原性タンパク質であるAβとADanが脳実質に蓄積するそれぞれの疾患モデルマウスを、神経障害と関連するtauトランスジェニックマウスと交配すると、いずれの場合もtau病理が亢進されることが示された<ref><pubmed> 20385796 </pubmed></ref>。これは少なくとも[[大脳皮質]]に沈着するアミロイドが示す神経細胞傷害プロセスの下流には共通性があることを示唆している。すなわち、アミロイド原性タンパク質の種類を問わず、どのような線維がどの細胞や臓器に沈着するかによって最終的にアミロイドーシスにおける病態が決定する可能性が考えられている。またAβが細胞外から神経細胞毒性を呈するために毒性受容体が想定さられており、[[NMDA型グルタミン酸受容体|NMDA型]]および[[AMPA型グルタミン酸受容体]]、α7[[ニコチン性アセチルコリン受容体]]、[[インスリン受容体]]、[[RAGE]]、プリオンタンパク質や[[EPHB2|EphB2]]、[[LilrB2]]などがその候補として挙げられている。 | ||
==関連項目== | ==関連項目== | ||
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*[[プリオン病]] | *[[プリオン病]] | ||
*[[アミロイドβタンパク質]] | *[[アミロイドβタンパク質]] | ||
==参考文献== | |||
<references/> | <references/> |