「脳幹網様体賦活系」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
22行目: 22行目:
==歴史的背景==
==歴史的背景==


[[ファイル:Reticular formation.jpg|thumb|350px|'''図.脳幹網様体賦活系の概観'''<br>A.脳の正中矢状断面図 B.上丘を通る中脳横断面 C.下丘を通る中脳・橋横断面 D.橋上部横断面.図A中の破線b, c, dはそれぞれ図B, C, Dのレベルに相当する<br>図中の部位:1.中脳傍正中網様体(斜線はMorruziとMagounの実験で傷害された領域) 2.脚橋被蓋核 3.背外側被蓋核 4.視床(核群) 5.青斑核 6.背側縫線核 7.正中縫線核群 8.視床下部外側野 赤丸はノルアドレナリン作動性ニューロン群、青丸はアセチルコリン作動性ニューロン群、緑はセロトニン作動性ニューロン群]]
[[ファイル:Reticular formation.jpg|thumb|400px|'''図.脳幹網様体賦活系の概観'''<br>A.脳の正中矢状断面図 B.上丘を通る中脳横断面 C.下丘を通る中脳・橋横断面 D.橋上部横断面.図A中の破線b, c, dはそれぞれ図B, C, Dのレベルに相当する<br>図中の部位:1.中脳傍正中網様体(斜線はMorruziとMagounの実験で傷害された領域) 2.脚橋被蓋核 3.背外側被蓋核 4.視床(核群) 5.青斑核 6.背側縫線核 7.正中縫線核群 8.視床下部外側野 赤丸はノルアドレナリン作動性ニューロン群、青丸はアセチルコリン作動性ニューロン群、緑はセロトニン作動性ニューロン群]]


 19世紀末より、意識の神経基盤を[[大脳半球]]に求める説と、それに対して上部脳幹や[[間脳]]尾部の重要性を主張する反論とが存在していた。しかし、覚醒と睡眠の神経基盤に関する重要な知見をもたらしたのは、[[wikipedia:ja:第一次大戦前後|第一次大戦前後]]に流行した[[嗜眠性脳炎]]患者に関する[[wikipedia:Constantin von Economo|Constantin von Economo]]の研究である。彼の報告によれば、覚醒の困難な大半の患者と、逆に睡眠の困難な少数の患者において、それぞれ異なる脳内部位に病変が見られた。その結果から彼は、覚醒の中枢は脳幹上部から[[中脳水道]]と[[第三脳室]]後部までの[[灰白質]]に、睡眠の中枢は[[視床下部]]吻側部に位置していると推測した。
 19世紀末より、意識の神経基盤を[[大脳半球]]に求める説と、それに対して上部脳幹や[[間脳]]尾部の重要性を主張する反論とが存在していた。しかし、覚醒と睡眠の神経基盤に関する重要な知見をもたらしたのは、[[wikipedia:ja:第一次大戦前後|第一次大戦前後]]に流行した[[嗜眠性脳炎]]患者に関する[[wikipedia:Constantin von Economo|Constantin von Economo]]の研究である。彼の報告によれば、覚醒の困難な大半の患者と、逆に睡眠の困難な少数の患者において、それぞれ異なる脳内部位に病変が見られた。その結果から彼は、覚醒の中枢は脳幹上部から[[中脳水道]]と[[第三脳室]]後部までの[[灰白質]]に、睡眠の中枢は[[視床下部]]吻側部に位置していると推測した。

案内メニュー