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== 音声学習する動物 == | == 音声学習する動物 == | ||
人間における言語発音や歌の習得は音声学習である。一方、人間以外で音声学習を行う動物は非常に少ない。哺乳類では[[wikipedia:ja:クジラ目|クジラ目]] | 人間における言語発音や歌の習得は音声学習である。一方、人間以外で音声学習を行う動物は非常に少ない。哺乳類では[[wikipedia:ja:クジラ目|クジラ目]]([[wikipedia:ja:クジラ|クジラ]]および[[wikipedia:ja:イルカ|イルカ]])と[[wikipedia:ja:コウモリ|コウモリ]]の一部、[[wikipedia:ja:アフリカゾウ|アフリカゾウ]]、鳥類では,[[wikipedia:ja:オウム目|オウム目]]([[wikipedia:ja:オウム|オウム]]および[[wikipedia:ja:インコ|インコ]])、[[wikipedia:ja:アマツバメ目|アマツバメ目]][[wikipedia:ja:ハチドリ|ハチドリ]]類、そして[[wikipedia:ja:スズメ目|スズメ目]]鳴禽類([[wikipedia:ja:カナリア|カナリア]]、[[wikipedia:ja:キンカチョウ|キンカチョウ]]、[[wikipedia:ja:ジュウシマツ|ジュウシマツ]]など)において音声学習が確認されている。人間以外の[[wikipedia:ja:霊長類|霊長類]]では音声学習は確認されていないが、複雑な鳴き声を使ってコミュニケーションするサルの一種において、その音声パターンの発達の過程に音声学習が含まれる可能性が指摘されている<ref><pubmed>22177339</pubmed></ref>。また、最近、[[マウス]]が行動条件に依存した様々な超音波音声を発することが示され<ref><pubmed>16248680</pubmed></ref>、その発達が音声学習によるものである可能性も示唆されたが、少なくとも人間や鳥類のような[[模倣]]を伴う音声学習ではないことが確認された<ref name="ref3"><pubmed>21408017</pubmed></ref>。 | ||
これらの比較的限定された種類の動物グループのみが音声学習能力を持つ進化的理由は良くわかっていない。機能的には、鳥類を含む音声学習をする動物の多くが[[大脳皮質]]口腔顔面領域から[[延髄]]の[[呼吸・発声中枢]]への直接的投射を持つため、発声器官の緻密な随意制御が可能であることが示唆されている<ref name="ref3" /> | これらの比較的限定された種類の動物グループのみが音声学習能力を持つ進化的理由は良くわかっていない。機能的には、鳥類を含む音声学習をする動物の多くが[[大脳皮質]]口腔顔面領域から[[延髄]]の[[呼吸・発声中枢]]への直接的投射を持つため、発声器官の緻密な随意制御が可能であることが示唆されている<ref name="ref3" />。また人間は他の霊長類とは異なる構造の[[声道]]を持つため複雑な音声の生成がしやすいことも指摘されている<ref>'''Takeshi Nishimura'''<br>Comparative development of the vocal apparatus in primates:fckLRphylogeny of speech<br>''The Japanese Journal of Animal Psychology'': 2010, 60(1);49-58</ref>。 | ||
== メカニズム == | == メカニズム == |