「CI療法」の版間の差分

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==実験的根拠==
==実験的根拠==
 CI療法は、実験的に報告された[[Use-dependent plasticity]]の臨床的な焼き直しとも考えられる。すなわち、健常な[[wikipedia:ja:リスザル|リスザル]]では、訓練(段階的に口径が小さく深いパレットからエサをとる)による運動スキルの向上とともに、inter-cortical micro-stimulation(皮質内微小刺激)で評価した[[一次運動野]]の手の領域の拡大が観察される<ref name="ref2"><pubmed>8551360</pubmed></ref>。一方、大きなパレットからエサをとることをくりかえすような単純な運動の反復では、運動地図の変化はおこらない<ref name="ref4"><pubmed>10873519</pubmed></ref>。同様に、リスザルにおける一次運動野の損傷実験でも、一次運動野の部分的な実験的脳虚血後、5日後から麻痺手で同様の訓練を行うと、麻痺手機能の改善とともに一次運動野内の手の領域が拡大することが示された<ref name="ref3"><pubmed>8650578</pubmed></ref>。このような運動野地図の変化は、臨床的にも検証されている。少数例の検討ではあるがCI療法後に、麻痺側上肢機能の改善とともに、[[経頭蓋磁気刺激]]により麻痺手の運動誘発電位が惹起されるに領域が病変側で増加した<ref name="ref5"><pubmed>10835434</pubmed></ref>。この観察結果は上記<ref name="ref2"/><ref name="ref3" /><ref name="ref4" />のNudoらの実験結果とあわせて、実際の能力よりやや難易度の高い課題を与えるような手の練習後に観察される機能改善と病変半球の一次運動野内の運動地図の変化との関連を示唆する。
 CI療法は、実験的に報告された[[Use-dependent plasticity]]の臨床的な焼き直しとも考えられる。すなわち、健常な[[wikipedia:ja:リスザル|リスザル]]では、訓練(段階的に口径が小さく深いパレットからエサをとる)による運動スキルの向上とともに、皮質内微小刺激 (inter-cortical micro-stimulation)で評価した[[一次運動野]]の手の領域の拡大が観察される<ref name="ref2"><pubmed>8551360</pubmed></ref>。一方、大きなパレットからエサをとることをくりかえすような単純な運動の反復では、運動地図の変化はおこらない<ref name="ref3"><pubmed>10873519</pubmed></ref>。同様に、リスザルにおける一次運動野の損傷実験でも、一次運動野の部分的な実験的脳虚血後、5日後から麻痺手で同様の訓練を行うと、麻痺手機能の改善とともに一次運動野内の手の領域が拡大することが示された<ref name="ref4"><pubmed>8650578</pubmed></ref>
 
 このような運動野地図の変化は、臨床的にも検証されている。少数例の検討ではあるがCI療法後に、麻痺側上肢機能の改善とともに、[[経頭蓋磁気刺激]]により麻痺手の運動誘発電位が惹起されるに領域が病変側で増加した<ref name="ref5"><pubmed>10835434</pubmed></ref>。この観察結果は上記<ref name="ref2"/><ref name="ref3" /><ref name="ref4" />のNudoらの実験結果とあわせて、実際の能力よりやや難易度の高い課題を与えるような手の練習後に観察される機能改善と病変半球の一次運動野内の運動地図の変化との関連を示唆する。


==有効性==
==有効性==

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