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細 (→セロトニン受容体) |
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5-HT<sub>1</sub>から5-HT<sub>7</sub>の7種類のサブファミリーからなり、14個のサブタイプが存在する<ref name="ref13"><pubmed> 10462127 </pubmed></ref> <ref name="ref14"><pubmed> 18615128 </pubmed></ref> <ref name="ref15"><pubmed> 18676031 </pubmed></ref> <ref name="ref16"><pubmed> 20945968 </pubmed></ref>。イオンチャネル型の5-HT<sub>3</sub>を除いて他は全てG蛋白質に共役する受容体であり、遅い膜電位変化やシナプス伝達の修飾に関与する。脳には全ての受容体が発現している。 | 5-HT<sub>1</sub>から5-HT<sub>7</sub>の7種類のサブファミリーからなり、14個のサブタイプが存在する<ref name="ref13"><pubmed> 10462127 </pubmed></ref> <ref name="ref14"><pubmed> 18615128 </pubmed></ref> <ref name="ref15"><pubmed> 18676031 </pubmed></ref> <ref name="ref16"><pubmed> 20945968 </pubmed></ref>。イオンチャネル型の5-HT<sub>3</sub>を除いて他は全てG蛋白質に共役する受容体であり、遅い膜電位変化やシナプス伝達の修飾に関与する。脳には全ての受容体が発現している。 | ||
==== | ==== 5-HT<sub>1</sub>受容体 ==== | ||
5-HT<sub>1A</sub>、5-HT<sub>1B</sub>、5-HT<sub>1D</sub>、5-HT<sub>1E</sub>、5-HT<sub>1F</sub>の5個のサブタイプが存在する。5-HT<sub>1C</sub>は5-HT<sub>2C</sub>に再分類されたため存在しない。主な細胞内シグナル経路はGi/oを介したcAMP濃度の低下で、フォスフォリパーゼCやNa<sup>+</sup>/H<sup>+</sup>交換輸送体など他のシグナル経路も活性化し得る<ref name="ref15" />。5-HT<sub>1A</sub>受容体はセロトニン受容体の中で最も広く発現しており、受容体活性化によって細胞膜の過分極を引き起こす。しかし、この過分極は主にGタンパク質共役型内向き整流性カリウムの活性化によるもので、cAMPには依存しない<ref name="ref14" />。グルタミン酸作動性の興奮性シナプス伝達、GABA作動性の抑制シナプス伝達を共に抑制し、自己受容体としてセロトニン神経の活動に負のフィードバックをかける<ref name="ref15" /> <ref name="ref16" />。5-HT<sub>1B</sub>受容体も自己受容体としてセロトニンの放出を抑制するほか、グルタミン酸、GABA、ドーパミン、アセチルコリンなどの放出を抑制する<ref name="ref16" />。''' | |||
==== 5-HT<sub>2</sub>受容体 ==== | |||
5-HT<sub>2A</sub>、5-HT<sub>2B</sub>、5-HT<sub>2C</sub>の3個のサブタイプがあり、Gq/11を介してフォスフォリパーゼC(PLC)を活性化する。5-HT<sub>2A</sub>受容体は中枢神経系に広く分布しており、活性化によってカリウムコンダクタンスの低下を伴う脱分極を生じ<ref name="ref13" />、自発性シナプス応答の頻度上昇を引き起こす<ref><pubmed> 10601434 </pubmed></ref>。また、グルタミン酸作動性シナプス伝達を増強<ref name="ref14" />又は抑制する<ref><pubmed> 20838806 </pubmed></ref>。5-HT<sub>2C</sub>受容体はRNAエディテイングを受けるため、15-20のアイソフォームを持つ。このRNAエディテイングはPLCに対する5-HT<sub>2C</sub>のリガンド非依存性のconstituvie activityに影響を及ぼす<ref name="ref15" />。 | |||
==== 5-HT<sub>3</sub>受容体 ==== | |||
イオンチャネル型の受容体で5-HT<sub>3A</sub>、5-HT<sub>3B</sub>、5-HT<sub>3C</sub>、5-HT<sub>3D</sub>、5-HT<sub>3E</sub>の5個のサブユニットを持つ。二価のカルシウムイオンを含む陽イオンに対する透過性を持ち、受容体活性化によって脱分極を生じる。単独で機能的なチャネルを構成できるのは5-HT<sub>3A</sub>のみで、5-HT<sub>3B</sub>の存在によってチャネルのキネティクス、薬学的特性、イオン透過性が変化する<ref><pubmed> 10521471 </pubmed></ref> <ref><pubmed> 18761359 </pubmed></ref>。速いシナプス伝達を担うほか、シナプス修飾にも関与する<ref><pubmed> 11137150 </pubmed></ref>。興奮性シナプス伝達を抑制し<ref name="ref22"><pubmed> 1422823 </pubmed></ref>、抑制性シナプス伝達を増強<ref><pubmed> 19369358 </pubmed></ref>又は抑制する<ref name="ref22" />。 | |||
==== 5-HT<sub>4</sub>受容体 ==== | |||
Gsに共役し、cAMP濃度を上昇させる。リガンド非依存性のconstitutive activityを持ち、多くの(~10)スプライシングバリアントが存在する。受容体活性化によって活動電位後の過分極の抑制と脱分極を生じる。活動電位後の過分極の抑制はcAMP上昇によるカルシウム依存性カリウムコンダクタンスの抑制による<ref><pubmed> 7838128 </pubmed></ref>。グルタミン酸作動性シナプス伝達を抑制<ref name="ref14" />又は増強し<ref><pubmed> 18550770 </pubmed></ref>、海馬、扁桃体においてシナプス伝達の長期増強を促進する<ref><pubmed> 19086256 </pubmed></ref>。PKAを介してGABAA受容体を修飾し<ref name="ref14" />、自発性抑制性シナプス応答を活動依存的に二方向性に変化させる<ref><pubmed> 11986365 </pubmed></ref>。 | |||
==== 5-HT<sub>5</sub>受容体 ==== | |||
Gi/oに共役し、cAMP濃度を低下させる。ラット、マウスでは5-HT<sub>5A</sub>、5-HT<sub>5B</sub>の2個のサブタイプが存在するが、ヒトでは5-HT<sub>5A</sub>のみが発現している<ref><pubmed> 14965244 </pubmed></ref>。 | |||
==== 5-HT<sub>6</sub>受容体 ==== | |||
Gsに共役し、cAMP濃度を上昇させる。受容体活性化によってグルタミン酸作動性シナプス伝達を抑制する<ref><pubmed> 21619890 </pubmed></ref>。 | |||
==== 5-HT<sub>7</sub>受容体 ==== | |||
Gsに共役し、cAMP濃度を上昇させる。Ih(過分極によって活性化される陽イオン電流)を増加させて脱分極を生じる<ref><pubmed> 11259569 </pubmed></ref>。 | |||
== 中枢における生理機能 == | == 中枢における生理機能 == |