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羅:fornix 英:fornix | 羅:fornix 英:fornix | ||
脳弓は主として[[海馬体]]から出て[[乳頭体]]、[[中隔核]]に至る神経線維束で、[[脳梁]]の下で左右対をなして弓形を画く(図1-3)。これは[[脳弓柱]]、[[脳弓体]]、[[脳弓脚]]および[[海馬采]]に区分される。 | {{box|text= 脳弓は主として[[海馬体]]から出て[[乳頭体]]、[[中隔核]]に至る神経線維束で、[[脳梁]]の下で左右対をなして弓形を画く(図1-3)。これは[[脳弓柱]]、[[脳弓体]]、[[脳弓脚]]および[[海馬采]]に区分される。}} | ||
==解剖== | ==解剖== | ||
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[[Image:pre-post-commissural_fornix.png|thumb|300px|'''図4.交連前脳弓と交連後脳弓'''<br>左側が吻側。神経解剖学講義ノート 寺島俊雄著 金芳堂 p149より改変して転載。]] | [[Image:pre-post-commissural_fornix.png|thumb|300px|'''図4.交連前脳弓と交連後脳弓'''<br>左側が吻側。神経解剖学講義ノート 寺島俊雄著 金芳堂 p149より改変して転載。]] | ||
脳の[[白質]]には左右の脳を結ぶ[[交連線維]]と同側の大脳半球の異なる領域を繋ぐ[[連合線維]](association fiber)が存在し、後者には隣接する脳回を繋ぐ短い連合線維と異なる領域にまたがる長い連合線維が存在するが、脳弓は長い連合線維の代表的なもので海馬体から出て乳頭体などに至る線維束である。また、対側海馬へ投射する交連線維も含まれる。 | |||
[[海馬台]]や狭義の海馬([[アンモン角]])の[[錐体細胞]]の[[軸索]]は、[[海馬白板]]を通り、[[海馬采]] (fimbria)に集められる。両側の海馬采は後方へ進むにつれて太くなり、海馬の後端に至って[[脳梁膨大]]の下を[[脳弓脚]]となって弧を描いて上ると同時に両側のものが互いに近づいてくる。このあたりで多数の線維が反対側の脳弓に入る。すなわち交連線維が薄く板状に広がって、一部は[[脳弓交連]] (fornical comissure)を形成する。両側の脚 (crus fornicis) は合して[[脳弓体]] (body of the fornix)となり脳梁の直下を前方に[[視床]]の吻側端まで行き、ここで再び線維束が左右に分かれ[[脳弓柱]] (colums of the fornix)として[[室間孔]]から[[前交連]]の後ろまで腹方に曲がる(図3)。神経線維が薄い帯状になった海馬采は脳弓のほぼ全経過にわたって外側に位置しているが、吻側では脳弓の本体である脳弓柱に混ざる。脳弓線維のほぼ半数は前交連の尾側を[[交連後脳弓]]として下行し、残りは前交連の前方を[[交連前脳弓]]として走る(図4)<ref>'''カーペンター'''<br>''神経解剖学'' Malcolm B. Carpenter, Jerome Sutin,<br>西村書店</ref>。 | [[海馬台]]や狭義の海馬([[アンモン角]])の[[錐体細胞]]の[[軸索]]は、[[海馬白板]]を通り、[[海馬采]] (fimbria)に集められる。両側の海馬采は後方へ進むにつれて太くなり、海馬の後端に至って[[脳梁膨大]]の下を[[脳弓脚]]となって弧を描いて上ると同時に両側のものが互いに近づいてくる。このあたりで多数の線維が反対側の脳弓に入る。すなわち交連線維が薄く板状に広がって、一部は[[脳弓交連]] (fornical comissure)を形成する。両側の脚 (crus fornicis) は合して[[脳弓体]] (body of the fornix)となり脳梁の直下を前方に[[視床]]の吻側端まで行き、ここで再び線維束が左右に分かれ[[脳弓柱]] (colums of the fornix)として[[室間孔]]から[[前交連]]の後ろまで腹方に曲がる(図3)。神経線維が薄い帯状になった海馬采は脳弓のほぼ全経過にわたって外側に位置しているが、吻側では脳弓の本体である脳弓柱に混ざる。脳弓線維のほぼ半数は前交連の尾側を[[交連後脳弓]]として下行し、残りは前交連の前方を[[交連前脳弓]]として走る(図4)<ref>'''カーペンター'''<br>''神経解剖学'' Malcolm B. Carpenter, Jerome Sutin,<br>西村書店</ref>。 | ||
==機能== | ==機能== |