「適応障害」の版間の差分

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==鑑別診断==
==鑑別診断==
 まず前述の死別反応のような場合、医学的あるいは精神医学的なサービスを受けたとしても、ADの診断は通常なされない。中高年のADでは、軽度の『[[うつ病]]』との鑑別が重要である。ストレス因が解消し、症状が回復するのを確認できなければ、ADなのか、あるいは『うつ病』なのかの最終的な鑑別診断はできないと思っていい。一方、青年期の患者では、『[[統合失調症]]』や『[[パニック障害]]』などの『[[神経症性障害]]・[[ストレス関連障害]]』との鑑別が問題となる。もし、ストレス因子が、“例外的に強い”あるいは “並はずれた脅威や破局的な性質”を持っている場合には、『[[急性ストレス反応]]』あるいは『[[心的外傷後ストレス障害]]』との鑑別が必要となる。  
 まず前述の死別反応のような場合、医学的あるいは精神医学的なサービスを受けたとしても、ADの診断は通常なされない。中高年のADでは、軽度の『[[うつ病]]』との鑑別が重要である。ストレス因が解消し、症状が回復するのを確認できなければ、ADなのか、あるいは『うつ病』なのかの最終的な鑑別診断はできないと思っていい。一方、青年期の患者では、『[[統合失調症]]』や『[[パニック症]]』などの『[[神経症性障害]]・[[ストレス関連障害]]』との鑑別が問題となる。もし、ストレス因子が、“例外的に強い”あるいは “並はずれた脅威や破局的な性質”を持っている場合には、『[[急性ストレス反応]]』あるいは『[[心的外傷後ストレス障害]]』との鑑別が必要となる。  


 また、症状やその重症度において、ストレス因への反応で生じる、『[[気分障害]]』や『神経症性障害・ストレス関連障害』とのオーバーラップ、あるいは正常範囲の心理反応との区別が曖昧で難しいこともある。繰り返しになるが、ADの診断に当たっては、発病の様式や症状の内容、そして重症度などを慎重に評価し、特定の『気分障害』や神経症性障害・ストレス関連障害』の診断基準が満たされるならば、まずそれらの診断がなされる。ADは、あくまでも残遺カテゴリーという認識が、最も重要である。
 また、症状やその重症度において、ストレス因への反応で生じる、『[[気分障害]]』や『神経症性障害・ストレス関連障害』とのオーバーラップ、あるいは正常範囲の心理反応との区別が曖昧で難しいこともある。繰り返しになるが、ADの診断に当たっては、発病の様式や症状の内容、そして重症度などを慎重に評価し、特定の『気分障害』や神経症性障害・ストレス関連障害』の診断基準が満たされるならば、まずそれらの診断がなされる。ADは、あくまでも残遺カテゴリーという認識が、最も重要である。

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