16,040
回編集
細編集の要約なし |
細 (→対策・治療) |
||
16行目: | 16行目: | ||
自殺未遂の頻度は女性のほうが多いものの、自殺既遂は中国などの例外を除いて男性に多く、我が国でも男性の自殺者数は女性の2倍以上となっている<ref name=hakusho>'''内閣府'''<br>''自殺対策白書''<br>2013年度版</ref>。年代別にみると自殺は若年者における死因の第一位であるが、自殺者数全体でみると4割以上が60歳以上であるように<ref name=hakusho />、高齢者は自殺者に占める割合が高く、高齢化の進む県を中心に自殺問題は依然深刻である。最近の日本の自殺では、これまでの中年男性における自殺の増加から若年層における自殺の増加が問題化しつつある<ref name=hakusho />。日本は先進諸国の中でも高い自殺率を示しているが、ロシアや韓国などさらに自殺率が高い国もあり<ref name=hakusho />、世界保健機構(World Health Organization; WHO)の統計によると、毎年全世界で約100万人が自殺により死亡していると推定されている。 | 自殺未遂の頻度は女性のほうが多いものの、自殺既遂は中国などの例外を除いて男性に多く、我が国でも男性の自殺者数は女性の2倍以上となっている<ref name=hakusho>'''内閣府'''<br>''自殺対策白書''<br>2013年度版</ref>。年代別にみると自殺は若年者における死因の第一位であるが、自殺者数全体でみると4割以上が60歳以上であるように<ref name=hakusho />、高齢者は自殺者に占める割合が高く、高齢化の進む県を中心に自殺問題は依然深刻である。最近の日本の自殺では、これまでの中年男性における自殺の増加から若年層における自殺の増加が問題化しつつある<ref name=hakusho />。日本は先進諸国の中でも高い自殺率を示しているが、ロシアや韓国などさらに自殺率が高い国もあり<ref name=hakusho />、世界保健機構(World Health Organization; WHO)の統計によると、毎年全世界で約100万人が自殺により死亡していると推定されている。 | ||
== | ==対策== | ||
我が国では2006年に自殺対策基本法が制定され、2007年に自殺総合対策大綱が策定、2012年には改訂され、地域における相談・支援体制の整備、教育・啓発活動など自殺予防に向けた取り組みがはじまっている。その取り組みのひとつに精神医療体制の整備が掲げられており、[[うつ病]]などの精神疾患を早期に発見し、適切な治療へと導入することが重視されている。精神科医療で用いられる向精神薬のうち[[抗うつ薬]]は、うつ病治療で重要な役割を果たし自殺予防に寄与する一方で、[[衝動性]]や[[攻撃性]]を顕在化させることで自殺のリスクを高める場合もあるとされる。また、自殺予防に有効な[[向精神薬]]としては、[[気分障害]]の治療に用いられる[[リチウム]]や、[[統合失調症]]の治療に用いられる[[クロザピン]]が知られ、衝動性や攻撃性の軽減がそのメカニズムとして想定されている<ref><pubmed>23814104</pubmed></ref><ref><pubmed>15653256</pubmed></ref>。 | 我が国では2006年に自殺対策基本法が制定され、2007年に自殺総合対策大綱が策定、2012年には改訂され、地域における相談・支援体制の整備、教育・啓発活動など自殺予防に向けた取り組みがはじまっている。その取り組みのひとつに精神医療体制の整備が掲げられており、[[うつ病]]などの精神疾患を早期に発見し、適切な治療へと導入することが重視されている。精神科医療で用いられる向精神薬のうち[[抗うつ薬]]は、うつ病治療で重要な役割を果たし自殺予防に寄与する一方で、[[衝動性]]や[[攻撃性]]を顕在化させることで自殺のリスクを高める場合もあるとされる。また、自殺予防に有効な[[向精神薬]]としては、[[気分障害]]の治療に用いられる[[リチウム]]や、[[統合失調症]]の治療に用いられる[[クロザピン]]が知られ、衝動性や攻撃性の軽減がそのメカニズムとして想定されている<ref><pubmed>23814104</pubmed></ref><ref><pubmed>15653256</pubmed></ref>。 | ||