「一酸化窒素」の版間の差分

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===タンパク質のニトロシル化===
===タンパク質のニトロシル化===
[[ファイル:一酸化窒素2.png|thumb|350px|'''図2. 図のタイトルを御願い致します。'''<br>図の説明を御願いします。略号も御定義下さい。文献<ref name=ref23127359 />より改変、引用。]]
[[ファイル:一酸化窒素2.png|thumb|350px|<b>図2. タンパク質ニトロシル化とその逆反応</b><br>
一酸化窒素合成酵素の活性化により、NOが合成されるとともに、一酸化窒素合成酵素自身もニトロシル化される。一酸化窒素からは遷移金属イオンにより触媒される経路'''(1と2)'''、チイルラジカル再結合'''(3と4)'''、一酸化窒素酸化によるN<sub>2</sub>O<sub>3</sub>産生経路'''(5と6)'''により、S−ニトロソ化グルタチオン (GSNO''')(1, 3, 5)'''あるいはニトロシル化タンパク質'''(2, 4, 6)'''が生成する。S−ニトロソ化グルタチオンはさらにニトロシル基転移反応によりタンパク質をニトロシル化する'''(7)'''。一方、NAD(P)H依存性酵素であるS−ニトロソ化グルタチオン還元酵素により分解される'''(8)'''。またはニトロシル基転移反応によりニトロシル化された一酸化窒素合成酵素やその他のタンパク質からもニトロシル基転移反応によりニトロシル化タンパク質が生成する'''(9)'''。ニトロシル化タンパク質はチオレドキシン還元酵素の働きにより、脱ニトロシル化される'''(10)'''<br>
文献<ref name=ref23127359 />より改変、引用。]]


 NOは、タンパク分子内に存在するシステインの-SH残基を[[ニトロシル化]]し、[[wj:ニトロシルチオール残基|ニトロシルチオール残基]]を形成する<ref name=ref23127359><pubmed>23127359</pubmed></ref> <ref><pubmed>15688001</pubmed></ref>。
 NOは、タンパク分子内に存在するシステインの-SH残基を[[ニトロシル化]]し、[[wj:ニトロシルチオール残基|ニトロシルチオール残基]]を形成する<ref name=ref23127359><pubmed>23127359</pubmed></ref> <ref><pubmed>15688001</pubmed></ref>。
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Protein-Cys-SH + NO· → Protein- Cys-S-NO
Protein-Cys-SH + NO· → Protein- Cys-S-NO


 ニトロシル化されたタンパク質は、その活性が修飾され、これにより、いくつかの神経タンパク室の作用が変化することが知られている。シナプス膜関連タンパクでは[[NMDA型グルタミン酸受容体]], [[AMPA型グルタミン酸受容体]]及び[[シンタキシン]]を始めとして10種類以上がNOによりニトロシル化されることが知られている<ref><pubmed>2371916</pubmed></ref>。近年、タンパク質機能解析及び微量定量法の目覚ましい進歩により、生体内でニトロシル化を受けるタンパクの同定が進んでいるが、実験条件によっては、ニトロシル化の可逆性及び分子間転移性による不安定からくる誤差を十分考慮して、解析する必要がある。
 タンパク質ニトロシル化の経路は、直接NOがタンパク質に作用する以外に、[[wj:グルタチオン|グルタチオン]]や一旦一酸化窒素合成酵素やその他のタンパク質に結合し、そこから転移される経路も存在する(図2)。
 
 ニトロシル化されたタンパク質は、その活性が修飾され、これにより、いくつかの神経タンパク質の作用が変化することが知られている。シナプス膜関連タンパクでは[[NMDA型グルタミン酸受容体]], [[AMPA型グルタミン酸受容体]]及び[[シンタキシン]]を始めとして10種類以上がNOによりニトロシル化されることが知られている<ref><pubmed>2371916</pubmed></ref>。近年、タンパク質機能解析及び微量定量法の目覚ましい進歩により、生体内でニトロシル化を受けるタンパクの同定が進んでいるが、実験条件によっては、ニトロシル化の可逆性及び分子間転移性による不安定からくる誤差を十分考慮して、解析する必要がある。


===タンパク質のニトロ化===
===タンパク質のニトロ化===

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