16,040
回編集
細編集の要約なし |
細 (→心理学研究) |
||
14行目: | 14行目: | ||
心理学における今日的な意味での共感の議論は、Lipps<ref name=ref4>'''Thodor Lipps'''<br>Das Wissen von fremden Ichen.<br>''Psychologische Untersuchungen'', 1907, 1; 694–722.</ref>に始まる。Lippsは、他者の情動の認識が共感(ドイツ語でeinfühlungsvermögen)であるとし、これは表情[[模倣]]を通した情動経験の喚起により実現されると提案した。英語の共感empathyは、このLippsの概念が翻訳されたものである。 | 心理学における今日的な意味での共感の議論は、Lipps<ref name=ref4>'''Thodor Lipps'''<br>Das Wissen von fremden Ichen.<br>''Psychologische Untersuchungen'', 1907, 1; 694–722.</ref>に始まる。Lippsは、他者の情動の認識が共感(ドイツ語でeinfühlungsvermögen)であるとし、これは表情[[模倣]]を通した情動経験の喚起により実現されると提案した。英語の共感empathyは、このLippsの概念が翻訳されたものである。 | ||
その後、心理学における各分野で共感の研究が進められている。例えば、社会心理学においてDavis | その後、心理学における各分野で共感の研究が進められている。例えば、社会心理学においてDavis<ref name=ref2 />は、共感が、情動の経験(他者の不快に対する苦痛および配慮)、認知状態の認識、および空想力という下位成分から成ると提案し、質問紙でこれらの下位成分および総合的な共感を信頼性・妥当性をもって計測できることを示した。臨床心理学においてRogers<ref name=ref5>'''Carl R. Rogers'''<br>A theory of therapy, personality, and interpersonal relationships, as developed in the client-centered framework<br>''Psychology: A study of a science'' (Vol. 3), 1959 (pp. 184-256) In S. Koch (Ed), New York, NY: McGraw-Hill.</ref>は、他者の情動および認知を認識するという意味での共感が、カウンセリングにおいて治療効果を果たすと提案した。発達心理学でEisenberg & Miller<ref name=ref6><pubmed>3562705</pubmed></ref>は、他者と同様の情動を経験する意味での共感が、[[向社会的行動]]をもたらすことを示した。 | ||
==関与する脳部位== | ==関与する脳部位== |