「養育行動の神経回路」の版間の差分

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   養育を抑止する方向に働く脳領域として、視床下部前核や腹内側核などが知られている。これらの脳領域の破壊はレトリービングに要する馴化時間を短縮させる。前核は摂食行動、腹内側核はメスの性行動などを促進する機能を持つ。親が非常に空腹なとき、また性行動が活性化されているときには、逆に養育行動が抑制されると考えれば理にかなっている。また扁桃体Amygdalaの破壊や分界条(Stria terminalis、扁桃体からの主要な出力路)の切断も養育行動を促進する。扁桃体内側核・中心核は新奇な仔からの知覚入力に対する忌避反応をMPOAに伝え、養育を抑制していると考えられる。 [[Image:Fig1.png|thumb|300px]]
   養育を抑止する方向に働く脳領域として、視床下部前核や腹内側核などが知られている。これらの脳領域の破壊はレトリービングに要する馴化時間を短縮させる。前核は摂食行動、腹内側核はメスの性行動などを促進する機能を持つ。親が非常に空腹なとき、また性行動が活性化されているときには、逆に養育行動が抑制されると考えれば理にかなっている。また扁桃体Amygdalaの破壊や分界条(Stria terminalis、扁桃体からの主要な出力路)の切断も養育行動を促進する。扁桃体内側核・中心核は新奇な仔からの知覚入力に対する忌避反応をMPOAに伝え、養育を抑制していると考えられる。 [[Image:Fig1.png|thumb|300px]]  


<br>図1 養育行動に必要な脳内情報処理回路とその中枢、内側視索前野(MPOA)視索前野(Preoptic area, POA)は視床下部の吻側、前交連と視交叉にはさまれた領域であり、終脳と間脳の境界部分に位置する。POAは外側部(LPOA)と内側部(MPOA、赤線部)に分けられる。
<br>'''図1 養育行動に必要な脳内情報処理の作業仮説と内側視索前野(MPOA)の機能'''
 
視索前野(Preoptic area, POA)は視床下部の吻側、前交連と視交叉にはさまれた領域であり、終脳と間脳の境界部分に位置する。POAは外側部(LPOA)と内側部(MPOA、斜線部)に分けられる。


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