「軸索再生」の版間の差分

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#再生した軸索は、通常の軸索のような走行を示さず、蛇行性に伸長する
#再生した軸索は、通常の軸索のような走行を示さず、蛇行性に伸長する


 中枢神経の軸索再生の研究には、脊髄損傷モデルがよく使われる。完全損傷モデルの場合、全ての軸索が切断されるため、切断された脊髄の段端がはなれて、[[脳脊髄液]]で満たされた間隙ができる。また、損傷部周辺では二次的な変性がおこり、切断面をさらに遠ざけてしまう。そこで、組織へのダメージを最小限にするため、不完全損傷モデルが使用されることが多い。不完全損傷モデルには、[[腹側皮質脊髄路]]のみを残し、他の皮質脊髄路の繊維は全て切断するdorsal hemisectionモデルや、一側を完全切断して反対側を残すlateral hemisetionモデルがある。最近の研究から、成体哺乳類の中枢神経系においても、薬剤投与や遺伝子操作により、脊髄損傷モデル動物における軸索再生が誘導されることが報告されている。しかし一方で、これらの結果の再現性に疑問を投げかける研究結果も報告されている。2003年に、[[wikipedia:National Institute of Neurological Disorders and Stroke|National Institute of Neurological Disorders and Stroke]] (NINDS)により、Facilities of Research Excellence – Spinal Cord Injury (FORE – SCI)というプログラムが開始され、それまでに報告されていた脊髄損傷モデル動物を用いた軸索再生研究の再評価がなされた。その結果、再現性が確認されたのは、12件中2件 (うち1件は報告されていたものよりも、弱い回復)のみであった <ref><pubmed> 22078756 </pubmed></ref>。これらの研究結果からも、中枢神経の軸索再生を実現することの難しさが伺える。  
 中枢神経の軸索再生の研究には、脊髄損傷モデルがよく使われる。完全損傷モデルの場合、全ての軸索が切断されるため、切断された脊髄の段端がはなれて、[[脳脊髄液]]で満たされた間隙ができる。また、損傷部周辺では二次的な変性がおこり、切断面をさらに遠ざけてしまう。そこで、組織へのダメージを最小限にするため、不完全損傷モデルが使用されることが多い。不完全損傷モデルには、[[腹側皮質脊髄路]]のみを残し、他の皮質脊髄路の線維は全て切断するdorsal hemisectionモデルや、一側を完全切断して反対側を残すlateral hemisetionモデルがある。最近の研究から、成体哺乳類の中枢神経系においても、薬剤投与や遺伝子操作により、脊髄損傷モデル動物における軸索再生が誘導されることが報告されている。しかし一方で、これらの結果の再現性に疑問を投げかける研究結果も報告されている。2003年に、[[wikipedia:National Institute of Neurological Disorders and Stroke|National Institute of Neurological Disorders and Stroke]] (NINDS)により、Facilities of Research Excellence – Spinal Cord Injury (FORE – SCI)というプログラムが開始され、それまでに報告されていた脊髄損傷モデル動物を用いた軸索再生研究の再評価がなされた。その結果、再現性が確認されたのは、12件中2件 (うち1件は報告されていたものよりも、弱い回復)のみであった <ref><pubmed> 22078756 </pubmed></ref>。これらの研究結果からも、中枢神経の軸索再生を実現することの難しさが伺える。


== 末梢神経系における軸索再生  ==
== 末梢神経系における軸索再生  ==

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