「有毛細胞」の版間の差分

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==遠心性神経線維の役割==
==遠心性神経線維の役割==
 一方、聴神経線維全体の5%程度に相当する神経線維は遠心性神経線維(編集コメント:起始核は?)であり、分枝を繰り返して複数の外有毛細胞にシナプスを形成する<ref name=spoendrin><pubmed> 3909832 </pubmed></ref>。この遠心性神経線維([[オリーブ蝸牛束]])の多くは外有毛細胞体上にシナプス形成する。従って音を聞く細胞としての内有毛細胞に対して、外有毛細胞は蝸牛器官の感度を調節する役割が議論されている。これに関しては外有毛細胞が[[膜電位]]に応じて細胞体長を伸縮させる機能を持つ事との関連が議論されている<ref name=ref15><pubmed>10821263</pubmed></ref> <ref name=ref11><pubmed>12239568</pubmed></ref>。音波による振動刺激に応じて基底膜の振動振幅を変動させることで内有毛細胞の感覚毛に加わる機械刺激量を調節し、結果として音刺激に対する受容器感度を上げる働きをしているものと考えられている<ref name=ref1><pubmed>18195086</pubmed></ref>。
 一方、[[聴神経]]線維全体の5%程度に相当する神経線維は遠心性神経線維([[オリーブ蝸牛束]])であり、一部は内有毛細胞に到る聴神経[[軸索終末]]にシナプス形成するが、多くは複数の外有毛細胞にシナプスを形成する<ref name=spoendrin><pubmed> 3909832 </pubmed></ref>。遠心性神経線維は[[アセチルコリン]]を神経伝達物質とする。外有毛細胞体には[[アセチルコリン受容体]](α9)があり、[[カルシウム|Ca<sup>2+</sup>イオン]]に対する透過性が高く、外有毛細胞では[[カリウムチャネル#Ca2+イオン活性化カリウムチャネル|Ca<sup>2+</sup>イオン活性化カリウムチャネル]]を活性化することで膜[[過分極]]を起こし抑制的に働く<ref name=ref5><pubmed>13367873</pubmed></ref> <ref name=ref3><pubmed>7954834</pubmed></ref>。


 遠心性神経線維(オリーブ蝸牛束) は[[アセチルコリン]]を神経伝達物質とし、一部は内有毛細胞に到る聴神経[[軸索終末]]にシナプス形成するが、多くは外有毛細胞体上にシナプス形成する。外有毛細胞体には[[アセチルコリン受容体]](α9)があり、[[カルシウム|Ca<sup>2+</sup>イオン]]に対する透過性が高く、外有毛細胞では[[カリウムチャネル#Ca2+イオン活性化カリウムチャネル|Ca<sup>2+</sup>イオン活性化カリウムチャネル]]を活性化することで膜[[過分極]]を起こし抑制的に働く<ref name=ref5><pubmed>13367873</pubmed></ref> <ref name=ref3><pubmed>7954834</pubmed></ref>。
 従って音を聞く細胞としての内有毛細胞に対して、外有毛細胞は蝸牛器官の感度を調節する役割が議論されている。これに関しては外有毛細胞が[[膜電位]]に応じて細胞体長を伸縮させる機能を持つ事との関連が議論されている<ref name=ref15><pubmed>10821263</pubmed></ref> <ref name=ref11><pubmed>12239568</pubmed></ref>。音波による振動刺激に応じて基底膜の振動振幅を変動させることで内有毛細胞の感覚毛に加わる機械刺激量を調節し、結果として音刺激に対する受容器感度を上げる働きをしているものと考えられている<ref name=ref1><pubmed>18195086</pubmed></ref>。
 
 


==関連項目==
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