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腸管神経系

839 バイト追加, 2015年10月27日 (火) 17:41
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[[モルモット]]小腸での結果をまとめたもの(The Enteric Nervous System, John Barton Furness 2006から引用)。<br>
*小腸以外の場所で観察された神経。ACh,アセチルコリン(acetylcholine); BN,ボンベシン(bombesin); CCK, コレシストキニン(cholecystokinin); ChAT,コリンアセチルトランスフェラーゼ(choline acetyltransferase); CART,コカイン・アンフェタミン調節ペプチド(cocaine and amphetamine-regulated transcript peptide); CGRP,カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide); CFR,副腎皮質刺激ホルモン放出因子(corticotrophin-releasing factor); ENK,エンケファリン(enkephalin); GABA,γアミノ酪酸(γ amino butyric acid); GAL,ガラニン(galanin); GRP,ガストリン放出ペプチド(gastrin-releasing peptide); 5-HT,5-ヒドロキシトリプタミン(5-hydroxytryptamine); IB4,イソレクチンB4(isolectin B4); NeuNcyt, cytoplasmic immunoreactivity for neuronal nuclear protein NeuN; NFP, ニューロフィラメントたんぱく質(neurofilament protein); NK, ニューロキニン(neurokinin); NOS, 一酸化窒素合成酵素(nitric oxide synthase); NPT, 神経ペプチドY(neuropeptide Y); PACAP, 脳下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(pituitary adenylate cyclase activating peptide); SOM, ソマトスタチン(somatostatin); TK, タキキニン(tachykinin); VIP, 血管作用性小腸ペプチド(vasoactive intestinal peptide)
===内在性一次求心性神経===
[[image:腸管神経系6.png|thumb|300px|'''図6.腸管神経細胞の形態学的分類'''<br><ref name=ref13><pubmed>7591994</pubmed></ref>から引用改変]]
 内在性求心性神経はDogiel II型神経に分類され、消化管の機械的・化学的刺激を感知する感覚神経と考えられている。この神経の細胞体は円形あるいは卵円形(13II型神経に分類され、消化管の機械的・化学的刺激を感知する感覚神経と考えられている。この神経の[[細胞体]]は円形あるいは卵円形(13-47 μm)で、筋層間神経叢及び粘膜下神経叢にある神経細胞の約10-15%を占める<ref name=ref8>'''Dogiel A.S.'''<br>Ueber Üeber den Bau der Ganglien in den Geflechten des Darmes und der Gallenblase des Menschen und der Säugethiere.<br>Arch. Anat. Physiol. Leip. Anat. Abt., 130-158, 1899.</ref>。この型の細胞は3~10本の樹状突起と1本の軸索を有していると報告されたが、現在では形態的・機能的研究からすべての突起は軸索であると考えられている10本の[[樹状突起]]と1本の軸索を有していると報告されたが、現在では形態的・機能的研究からすべての突起は軸索であると考えられている<ref name=ref9>'''Stach W.'''<br>Zur neuronalen Organisaion Organisation des Plexus myentericus (Auerbach) in Schweinedűnndarmim Schweinedünndarm. II. Typ II-Neurone.<br>Z. Mikrosk. Anat. Forsch., 95(2): 161-182, 1981.</ref> <ref name=ref10><pubmed>10424871</pubmed></ref>(図6)。筋層間神経叢からの内在性一次求心性神経線維は粘膜下神経叢へも側枝を伸ばし、粘膜下神経叢に存在する内在性一次求心性神経と共に粘膜にも投射する。内在性一次求心性神経は後根神経節に存在する外来性一次求心性神経(extrinsic primary afferent neuron)と特性が似ており、SPやcalcitonin gene-related peptide(CGRP)を神経伝達物質とする。また、感覚神経としてばかりでなく、侵害受容器としても機能する<ref name=ref4 />。(図6)。
 筋層間神経叢からの内在性一次求心性神経線維は粘膜下神経叢へも側枝を伸ばし、粘膜下神経叢に存在する内在性一次求心性神経と共に粘膜にも投射する。内在性一次求心性神経は後根神経節に存在する外来性一次求心性神経(extrinsic primary afferent neuron)と特性が似ており、サブスタンスPや[[カルシトニン遺伝子関連ペプチド]]([[calcitonin gene-related peptide]]; [[CGRP]])を[[神経伝達物質]]とする。また、[[感覚神経]]としてばかりでなく、[[侵害受容器]]としても機能する<ref name=ref4 />。  Digiel II型神経は電気生理学的分類におけるAH神経細胞とほぼ一致するので、AHII型神経は電気生理学的分類における[[AH神経細胞]]とほぼ一致するので、[[AH/Type II神経細胞と呼ばれることが多い。AH 神経細胞の“AH”は、後過分極 II神経細胞]]と呼ばれることが多い。AH 神経細胞の“AH”は、[[後過分極]] after-hyperpolarizing の頭文字であり、活動電位の発生後に数秒から数十秒にわたって続く、の頭文字であり、[[活動電位]]の発生後に数秒から数十秒にわたって続く、[[遅い後過分極]]が見られるのが特徴である(図5 AH)。通常、AH神経細胞の活動電位は脱分極刺激に反応して75AH)。通常、AH神経細胞の活動電位は[[脱分極]]刺激に反応して75-110 mVという大きな活動電位を1つしか発生しない<ref name=ref7 />。また、この神経細胞には速い[[興奮性シナプス興奮性シナプス後電位]]後電位fast (fast excitatory synaptic potential(fast EPSP)は発生せず、細胞体から記録される活動電位は、TTXpotential; fast EPSP)は発生せず、細胞体から記録される活動電位は、[[テトロドトキシン]]([[TTX]])-感受性のNa+チャネルと非感受性の感受性の[[Ca2Na<sup>+</sup>チャネル|Na+チャネル]]を介した内向き電流からなるため、細胞体の活動電位はTTX存在下でもと非感受性の[[CA2Ca<sup>2+</sup>チャネル|Ca2+チャネル]]を介した内向き電流からなるため、細胞体の活動電位はTTX存在下でもCa<sup>2+</sup>電流のみで充分発生させることができる。これに対し、軸索から記録される活動電位はTTXにより遮断されるので、TTX感受性のNa<sup>+</sup>チャネルは軸索での伝導に関与することが考えられる。
 内在性一次求心性神経は内在性一次求心性神経同士、介在神経および運動神経とも[[シナプス]]を形成し、腸管神経系内で反射弓を構成している。そのため、消化管の運動や血流および電解質輸送などの調節は、外来神経の関与がなくても腸管神経系の局所反射により制御することができる。すなわち、局所反射は、消化管内に存在する化学物質や消化管壁の伸展あるいは粘膜への機械的刺激などによる内在性一次求心性神経の興奮により誘発される。
 消化管の伸展や管腔内に存在する化学成分などの生理的状態、あるいは炎症などの病態生理的状態は、常に内在性一次求心性神経をはじめ、腸内分泌細胞や腸管[[免疫]]系を構成する細胞により監視されている。消化管に達する外来神経である迷走神経や内臓神経には50,000本以上の求心性神経線維が含まれているが、腸管神経系を構成する神経細胞の約20%は内在性一次求心性神経である。これら外来性および内在性求心性神経は、いずれもSPやCGRPを神経伝達物質とし、TTXは内在性一次求心性神経である。これら外来性および内在性求心性神経は、いずれもサブスタンスPやCGRPを神経伝達物質とし、テトロドトキシン-抵抗性電位依存性Na<sup>+チャネルや高電位で活性化されるCa2</sup>チャネルや高電位で活性化されるCa<sup>2+</sup>チャネル等の特性を有している<ref name=ref2 />。
===介在神経===
 筋層間神経叢の中で介在神経は口側および肛門側に鎖状にシナプスを作りながら伸びている<ref name=ref11><pubmed>8410075</pubmed></ref> <ref name=ref12><pubmed>7629305</pubmed></ref> <ref name=ref13 />。介在神経も介在神経同士、内在性一次求心性神経や運動神経ともシナプス結合を有している。モルモット小腸では、3種類の下行性介在神経(ACh。介在神経も介在神経同士、内在性一次求心性神経や運動神経ともシナプス結合を有している。モルモット小腸では、3種類の下行性介在神経(アセチルコリン/NOS一酸化窒素合成酵素, AChアセチルコリン/5-HT及びAChHT及びアセチルコリン/SOM)ソマトスタチン)<ref name=ref1 />と1種類の上行性介在神経が認められる。モルモット回腸の粘膜下神経叢には、筋層間神経叢に向かって1本の軸索を出すVIP陽性神経が少数存在するが、粘膜や小血管へ側枝を伸ばさないため、両神経叢を結ぶ介在神経と考えられる<ref name=ref14><pubmed>9721907</pubmed></ref>。
===運動神経===
 消化管を構成する粘膜筋板、輪走筋および縦走筋は、 消化管を構成する粘膜筋板、輪走筋および縦走筋は、興奮性と抑制性の神経支配を受けている。これらの運動神経は単一の軸索を持つS型の神経である。[[興奮性S神経細胞]]と[[抑制性]]の神経支配を受けている。これらの運動神経は単一の軸索を持つS型の神経である。S神経細胞の“S”は の“S”は synaptic の頭文字であり、近傍の神経線維束を電気刺激することによってfast EPSPが観察されることから命名された。S型神経は比較的高い入力抵抗を示し、脱分極刺激を行っている間は活動電位を発生するばかりでなく、20EPSPが観察されることから命名された。  S型神経は比較的高い入力抵抗を示し、脱分極刺激を行っている間は活動電位を発生するばかりでなく、20-100 ms程度の短い後過分極を伴う。また、この神経に発生する活動電位はTTXにより抑制されるため、Na<sup>+</sup>チャネルによるものである(図5S)。さらに、S型神経細胞においてはfast EPSPの加重により活動電位を発生するが、EPSPの加重により活動電位を発生するが、slow EPSPも記録される。S型神経細胞の形状は様々であるが、全て軸索を1本のみ有する神経細胞でありDogiel II型には分類されない。従って、その機能は運動神経あるいは介在神経と考えられる。  輪走筋を支配する運動神経の大部分は筋層間神経叢に存在するが、[[slow EPSPヒト]]も記録される。S型神経細胞の形状は様々であるが、全て軸索を1本のみ有する神経細胞でありDogiel II型には分類されない。従って、その機能は運動神経あるいは介在神経と考えられる。を含む一部の[[哺乳類]]では粘膜下神経叢由来の神経も輪走筋を支配している。括約筋も含めた消化管の輪走筋を支配する運動神経には興奮性と抑制性の2種類がある。興奮性運動神経はアセチルコリンやサブスタンスPなどを、抑制性運動神経は一酸化窒素、VIPおよびATPなどを伝達物質とし<ref name=ref15><pubmed>2454974</pubmed></ref>、縦が13~35 μm、幅は9~22 μmの扁平な形の細胞体から4~20以上の樹状突起と1本の軸索を出すDogiel I型細胞に分類される(図6)。多くのI型神経の軸索は神経節を出て4ないしそれ以上の神経節を経由して輪走筋層に至る。
 輪走筋を支配する運動神経の大部分は筋層間神経叢に存在するが、ヒトを含む一部の 多くの小[[哺乳類動物]]では粘膜下神経叢由来の神経も輪走筋を支配している。括約筋も含めた消化管の輪走筋を支配する運動神経には興奮性と抑制性の2種類がある。興奮性運動神経はAChやSPなどを、抑制性運動神経は[[NO]]、VIPおよび[[ATP]]などを伝達物質としでは縦走筋へ投射している運動神経細胞の大部分は筋層間神経叢にあるが、モルモットでは筋層間神経叢にある細胞の約25%が縦走筋を支配している<ref name=ref15><pubmed>2454974</pubmed><ref1 /ref>、縦が13~35 μm、幅は9~22 μmの扁平な形の細胞体から4~20以上の樹状突起と1本の軸索を出すDogiel I型細胞に分類される(図6)。多くのI型神経の軸索は神経節を出て4ないしそれ以上の神経節を経由して輪走筋層に至る。。しかし、ブタのような大きな動物では、縦走筋を支配する運動神経は一部、粘膜下神経叢にも由来する。
 多くの小[[動物]]では縦走筋へ投射している運動神経細胞の大部分は筋層間神経叢にあるが、モルモットでは筋層間神経叢にある細胞の約25%が縦走筋を支配している<ref name=ref1 />。しかし、ブタのような大きな動物では、縦走筋を支配する運動神経は一部、粘膜下神経叢にも由来する。 粘膜筋板も興奮性と抑制性の運動神経支配を受けるが、その細胞体は粘膜下神経叢に存在する 粘膜筋板も興奮性と抑制性の運動神経支配を受けるが、その細胞体は粘膜下神経叢に存在する<ref name=ref16><pubmed>4146742</pubmed></ref> <ref name=ref17><pubmed>6210358</pubmed></ref>。
 粘膜や小動脈に投射している運動神経の細胞体は粘膜下神経叢に存在し<ref name=ref1 />、水分や電解質の輸送制御に関与している。粘膜上皮と消化管壁に存在する細動脈を支配する運動神経にはVIP/PACAPを伝達物質とする非コリン作働性分泌運動/血管拡張神経、カルレチニンを含むコリン作働性分泌運動血管拡張神経、[[カルレチニン]]を含むコリン作働性分泌運動/血管拡張神経、そしてNeuropeptide Y(NPY)を含むコリン作働性分泌運動神経の3種類あると考えられる血管拡張神経、そして神経ペプチドY(NPY)を含むコリン作働性分泌運動神経の3種類あると考えられる<ref name=ref18><pubmed>12740940</pubmed></ref>。VIPおよびその関連ペプチドは粘膜上皮に作用して水の分泌を誘発するが<ref name=ref19><pubmed>8384795</pubmed></ref>、VIP分泌運動神経は多くの哺乳類で小腸、大腸および胆嚢にも広範囲に分布している<ref name=ref20>'''Furness J.B., Llewellyn Smith I.J., Bornstein J.C., Costa M.'''<br>Chemical neuroanatomy and the analysis of neuronal circuitry in the enteric nervous system. <br>In Björklund A, Hökfelt T, Owman C (eds) Handbook of Chemical Neuroanatomy: The peripheral nervous system. <br>Pp. 161-218, 1988.</ref>。
===グリア細胞===
 腸管神経叢の神経細胞や神経線維を支持している多数のグリア細胞はDogielにより1899年に初めて記載されたが<ref name=ref21>'''Dogiel A.S.'''<br>Ȕber den Bau der Ganglien in den Geflechten des Darmes und der Gallenblase des Menschen des Säugetiere. <br>Arch. Anat. Physiol. Leipzig Anat. Abt. Jg., 130-158, 1899.<ref8 /ref>、1970年代に電子顕微鏡レベルでの解析がなされるまで、その詳細については明らかにされなかった<ref name=ref22><pubmed>4335909</pubmed></ref> <ref name=ref23><pubmed>7219723</pubmed></ref>。しかしながら、ここ数年、腸管グリアに関しての形態的及び機能的知見が集積しはじめ、消化管機能との関連について注目が集まってきている。
 現在のところ、[[カルシウム]]結合タンパクであるS100結合タンパクである[[S100]]<ref name=ref24><pubmed>7043279</pubmed></ref>やglial や[[glial fibrillary acidic protein(GFAP)protein]]([[GFAP]])<ref name=ref25><pubmed>6997753</pubmed></ref>およびSOX8、SOX9あるいはSOX10および[[SOX8]]、[[SOX9]]あるいは[[SOX10]]<ref name=ref26><pubmed>18512230</pubmed></ref>などの転写因子を発現する細胞を腸管グリアと呼んでおり、電気生理学的特性が中枢神経系のアストログリアと極めて類似しているなどの[[転写因子]]を発現する細胞を腸管グリアと呼んでおり、電気生理学的特性が中枢神経系のアストログリアと極めて類似している<ref name=ref27><pubmed>10762619</pubmed></ref>。神経細胞よりわずかに多い腸管グリアは腸管神経叢ばかりでなく、粘膜の直下にある結合組織にも存在する<ref name=ref28><pubmed>22890111</pubmed></ref>。腸管グリア細胞はその形態的特徴と分布域から少なくとも4種類に区別することができる<ref name=ref28 />。
 粘膜直下に存在する腸管グリアはS100とGFAPを含んでおり、上皮細胞の[[分化]]やバリアー機能に重要な因子(Sやバリアー機能に重要な因子([[S-nitrosoglutathione]], [[15-deoxy-Δ-12,14-prostaglandin J2(15J2]](15-d-PGJ)、transforming PGJ)、[[transforming growth factor β1、proepidermal β1]]、[[proepidermal growth factor)を分泌するfactor]])を分泌する<ref name=ref28 />。腸管グリアと腸管神経細胞の連絡はconnexin。腸管グリアと腸管神経細胞の連絡は[[connexin-43が関与する細胞内カルシウム濃度の上昇を介して行われる43]]が関与する細胞内カルシウム濃度の上昇を介して行われる<ref name=ref29><pubmed>22426419</pubmed></ref> <ref name=ref30><pubmed>24211490</pubmed></ref>。腸管神経の保護や再生に関与している腸管グリア<ref name=ref31><pubmed>19906678</pubmed></ref> <ref name=ref32><pubmed>21865643</pubmed></ref>には、多くの神経伝達物質受容体や神経調節物質受容体も発現しているため、神経から放出される伝達物質にも反応するには、多くの神経伝達物質[[受容体]]や[[神経調節物質]]受容体も発現しているため、神経から放出される伝達物質にも反応する<ref name=ref29 /> <ref name=ref33><pubmed>19250649</pubmed></ref>。すなわち、腸管神経から放出されたATPが腸管グリア上のP2受容体に結合して腸管グリアを活性化させたり、腸管グリアの減少が消化管運動の減弱を引き起こす。すなわち、腸管神経から放出されたATPが腸管グリア上の[[P2受容体]]に結合して腸管グリアを活性化させたり、腸管グリアの減少が消化管運動の減弱を引き起こす<ref name=ref34><pubmed>16236773</pubmed></ref>。
===Intestinofugal neuronsIntestinofugal神経=== Intestionofugal神経は細胞体が大腸の筋層間神経叢にあり、交感神経節後線維との間にシナプスを作り、消化管全域を支配する交感神経節後線維を支配している Intestionofugal神経は細胞体が大腸の筋層間神経叢にあり、交感神経[[節後線維]]との間にシナプスを作り、消化管全域を支配する交感神経節後線維を支配している<ref name=ref35><pubmed>12077055</pubmed></ref> <ref name=ref36><pubmed>22997196</pubmed></ref>。この神経は消化管の輪状筋方向に配置され、壁の伸展や内容物の移動及び消化管の容積変化を感知する機械刺激受容器として機能する。Intestinofugal神経からの情報は交感神経性椎前神経節に伝えられ、交感神経と協調して消化管の全長にわたる運動の制御に関与する<ref name=ref36 />。すなわち、大腸の拡張刺激により椎前神経節内でAChを放出し、ニコチン性fast 。すなわち、大腸の拡張刺激により椎前神経節内でAChを放出し、[[ニコチン性]]fast EPSPを発生させ、消化管各部位間における局所反射の求心路を形成する。この細胞は小動物では筋層間神経叢にありDogiel I型の形態を示す<ref name=ref1 />が、ブタでは粘膜下神経叢にも認められる<ref name=ref37><pubmed>8227951</pubmed></ref>。
==機能=====消化管運動の制御===
<ref name=ref1 /> <ref name=ref2 /> <ref name=ref3 /> <ref name=ref38>'''唐木晋一郎、桑原厚和'''<br>大腸の腸管神経系 II -大腸運動調節、粘膜上皮における水・電解質輸送調節、および生体防御機構に対する関与-<br>''Foods & Food Ingredients Journal of Japan'', 213(2):157-168, 2008.</ref>
 腸管神経系は内容物を肛門側へ移動させる蠕動運動、内容物を混和する分節運動、空腹期に十二指腸から回腸末端まで強い収縮が規則正しく伝播する空腹期伝播性収縮運動(interdigestive  腸管神経系は内容物を肛門側へ移動させる[[wikipedia:ja:蠕動運動|蠕動運動]]、内容物を混和する[[wikipedia:ja:分節運動|分節運動]]、空腹期に十二指腸から回腸末端まで強い収縮が規則正しく伝播する[[wikipedia:ja:空腹期伝播性収縮運動|空腹期伝播性収縮運動]](interdigestive migrating motor contraction(IMMC))、さらには嘔吐に関連した逆蠕動など各種の運動パターンを制御している。腸管神経系には、この様な多彩な運動パターンを消化管平滑筋に起こさせるような神経回路網が存在する。contraction(IMMC))、さらには[[嘔吐]]に関連した[[wikipedia:ja:逆蠕動|逆蠕動]]など各種の運動パターンを制御している。腸管神経系には、この様な多彩な運動パターンを消化管平滑筋に起こさせるような神経回路網が存在する。
 消化管運動の局所反射は、粘膜への機械的・化学的刺激や腸管壁への伸展刺激により誘発される。腸管の伸展刺激による反射は粘膜と粘膜下組織を除去しても発生するので、伸展刺激に反応する内在性一次求心性神経線維は筋層に存在し、筋層間神経叢に存在する介在神経と運動神経により、反射が誘発されることを示している。しかしながら、ヒトを含む大動物では、縦走筋や輪走筋を支配する運動神経は粘膜下神経叢にも存在し、運動反射に関与している<ref name=ref1 />。内在性運動反射に関与する内在性一次求心性神経は介在神経とslow EPSPによりシナプス結合し、運動神経は平滑筋に分布している。。内在性運動反射に関与する内在性一次求心性神経は介在神経と[[slow EPSP]]によりシナプス結合し、運動神経は平滑筋に分布している。
 空腹期伝播性収縮運動(IMMC)は、食後に残った残渣や過剰に増殖した小腸の腸内 空腹期伝播性収縮運動(IMMC)は、食後に残った残渣や過剰に増殖した小腸の[[細菌wikipedia:ja:腸内細菌|腸内細菌]]などを取り除き、次の食事に備えるための運動と考えられている。ヒトでは食間期に強い収縮波が90分間隔で胃前庭部から回腸末端まで移動するが、移動速度は1分間に1~4cmと遅い。小腸におけるIMMCはTTXの局所投与やニコチン様受容体の阻害薬であるヘキサメソニウムにより抑制されるため、腸管神経系により制御されていることが考えられる。大腸運動も内容物を輸送するために腸管神経系により制御されている。実際、ヒルシュスプリング病のような先天的に直腸と大腸の腸管神経叢が欠損している患者では、大腸運動はうまく機能しないなどを取り除き、次の食事に備えるための運動と考えられている。ヒトでは食間期に強い収縮波が90分間隔で[[wikipedia:ja:胃前庭|胃前庭]]部から[[wikipedia:ja:回腸|回腸]]末端まで移動するが、移動速度は1分間に1~4cmと遅い。小腸におけるIMMCはTTXの局所投与やニコチン様受容体の阻害薬である[[ヘキサメソニウム]]により抑制されるため、腸管神経系により制御されていることが考えられる。大腸運動も内容物を輸送するために腸管神経系により制御されている。実際、[[ヒルシュスプリング病]]のような先天的に直腸と大腸の腸管神経叢が欠損している患者では、大腸運動はうまく機能しない<ref name=ref38 />。
===水や電解質の輸送および血流の制御===
<ref name=ref1 /> <ref name=ref2 /> <ref name=ref3 /> <ref name=ref38 />
 小腸と大腸における水と電解質の輸送は、腸管神経系により制御されている。この反射は脳幹にある循環中枢を介した血圧や血流量の変化に反応する抑制性交感神経経路から独立している。電解質や水の輸送および 小腸と大腸における水と電解質の輸送は、腸管神経系により制御されている。この反射は[[脳幹]]にある循環中枢を介した[[wikipedia:ja:血圧|血圧]]や血流量の変化に反応する抑制性交感神経経路から独立している。電解質や水の輸送および[[イオン]]に対する透過性の調節は、神経伝達物質としてVIPとAChを利用する分泌運動神経により制御されている。ほとんどの分泌運動神経の細胞体は粘膜[[下神経節]]に存在する。また、水や電解質の分泌には分泌される水や電解質を供給するための血管拡張を伴う。
 水や電解質の輸送は胃、小腸、大腸、膵臓および胆嚢などで行われ、水は浸透圧活性を有する分子の移動に伴い、粘膜上皮を介して管腔と血管側の間を移動する。小腸管腔に流入する水分量は1日当たり8~9 Lに達するが、これは総血液量を上回る量であり、腸管神経系による水や電解質の輸送制御は、生体の電解質[[バランス]]や体液量の制御に極めて重要である。消化管粘膜における水の輸送に伴って栄養素やNaや体液量の制御に極めて重要である。消化管粘膜における水の輸送に伴って[[栄養素]]やNa<sup>+</sup>の吸収が行われ、小腸、大腸、膵臓および胆嚢で行われる管腔内への水の分泌はCl-とHCO3-の分泌を伴う。
 粘膜への血液の供給は血管拡張神経を介して制御されており、粘膜の血流量は粘膜上皮の活動に応じて適切に調節されている。一方、腸管神経系には血管収縮神経は存在しない。なお、消化管に供給される総血液量は交感神経性の血管収縮神経により中枢性に制御されている。
==関連項目==
*[[自律神経]]
*[[第2の脳]]
*[[消化管]]
==参考文献==
<references />

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