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小腸と大腸における水と電解質の輸送は、腸管神経系により制御されている。この反射は[[脳幹]]にある循環中枢を介した[[wikipedia:ja:血圧|血圧]]や血流量の変化に反応する抑制性交感神経経路から独立している。電解質や水の輸送および[[イオン]]に対する透過性の調節は、神経伝達物質として血管作動性腸管ペプチドとアセチルコリンを利用する分泌運動神経により制御されている。ほとんどの分泌運動神経の細胞体は粘膜[[下神経節]]に存在する。また、水や電解質の分泌には分泌される水や電解質を供給するための血管拡張を伴う。 | 小腸と大腸における水と電解質の輸送は、腸管神経系により制御されている。この反射は[[脳幹]]にある循環中枢を介した[[wikipedia:ja:血圧|血圧]]や血流量の変化に反応する抑制性交感神経経路から独立している。電解質や水の輸送および[[イオン]]に対する透過性の調節は、神経伝達物質として血管作動性腸管ペプチドとアセチルコリンを利用する分泌運動神経により制御されている。ほとんどの分泌運動神経の細胞体は粘膜[[下神経節]]に存在する。また、水や電解質の分泌には分泌される水や電解質を供給するための血管拡張を伴う。 | ||
水や電解質の輸送は胃、小腸、大腸、膵臓および胆嚢などで行われ、水は浸透圧活性を有する分子の移動に伴い、粘膜上皮を介して管腔と血管側の間を移動する。小腸管腔に流入する水分量は1日当たり8~9 Lに達するが、これは総血液量を上回る量であり、腸管神経系による水や電解質の輸送制御は、生体の電解質[[バランス]]や体液量の制御に極めて重要である。消化管粘膜における水の輸送に伴って[[栄養素]]やNa<sup>+</sup> | 水や電解質の輸送は胃、小腸、大腸、膵臓および胆嚢などで行われ、水は浸透圧活性を有する分子の移動に伴い、粘膜上皮を介して管腔と血管側の間を移動する。小腸管腔に流入する水分量は1日当たり8~9 Lに達するが、これは総血液量を上回る量であり、腸管神経系による水や電解質の輸送制御は、生体の電解質[[バランス]]や体液量の制御に極めて重要である。消化管粘膜における水の輸送に伴って[[栄養素]]やNa<sup>+</sup>の吸収が行われ、小腸、大腸、膵臓および胆嚢で行われる管腔内への水の分泌はC<sup>l-</sup>とHCO<sub>3</sub><sup>-</sup>の分泌を伴う。 | ||
粘膜への血液の供給は血管拡張神経を介して制御されており、粘膜の血流量は粘膜上皮の活動に応じて適切に調節されている。一方、腸管神経系には血管収縮神経は存在しない。なお、消化管に供給される総血液量は交感神経性の血管収縮神経により中枢性に制御されている。 | 粘膜への血液の供給は血管拡張神経を介して制御されており、粘膜の血流量は粘膜上皮の活動に応じて適切に調節されている。一方、腸管神経系には血管収縮神経は存在しない。なお、消化管に供給される総血液量は交感神経性の血管収縮神経により中枢性に制御されている。 |