「シンタキシン」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
16行目: 16行目:
 シンタキシン1は神経系に特異的に発現する。組織染色において[[大脳皮質]]、[[海馬]]、[[小脳]]、脊髄、網膜のシナプスが豊富な領域に観察される。有郭乳頭味蕾、[[蝸牛]]内のコルチ器、松果体細胞にも存在する。神経系だけでなく、発生学的にニューロンと同じ外胚葉由来の副腎髄質にも発現している。1Aと1Bは異なる組織分布を示す。
 シンタキシン1は神経系に特異的に発現する。組織染色において[[大脳皮質]]、[[海馬]]、[[小脳]]、脊髄、網膜のシナプスが豊富な領域に観察される。有郭乳頭味蕾、[[蝸牛]]内のコルチ器、松果体細胞にも存在する。神経系だけでなく、発生学的にニューロンと同じ外胚葉由来の副腎髄質にも発現している。1Aと1Bは異なる組織分布を示す。


 ニューロンにおいてシンタキシン1は、主に[[シナプス前膜]]を含む細胞膜内面に局在する一方、シナプス小胞膜にも認められる。小脳皮質においては、ほとんどの[[グルタミン酸]]作動性終末と、一部の[[GABA作動性]]シナプスに局在する。その他にも、視索上核のオキシトシンニューロンでは[[軸索終末]]だけでなく細胞体や樹状突起に発現が見られるとともに、ヒヨコの[[毛様体神経節]]のカリックス型[[シナプス前部]]、[[カエル]]の運動[[神経終末]]にも存在する。アストロサイトにも発現している。
 ニューロンにおいてシンタキシン1は、主に[[シナプス前膜]]を含む細胞膜内面に局在する一方、シナプス小胞膜にも認められる。小脳皮質においては、ほとんどの[[グルタミン酸]]作動性終末と、一部の[[GABA作動性]]シナプスに局在する。その他にも、視索上核のオキシトシンニューロンでは[[軸索終末]]だけでなく細胞体や樹状突起に発現が見られるとともに、ヒヨコの[[毛様体神経節]]のHeld杯状シナプス前部、[[カエル]]の運動[[神経終末]]にも存在する。アストロサイトにも発現している。


== 翻訳後修飾 ==
== 翻訳後修飾 ==
63行目: 63行目:
== 遺伝子操作動物 ==
== 遺伝子操作動物 ==
 シンタキシン1Aの[[ノックアウトマウス]]は生育可能だが、[[恐怖条件付け]]記憶の阻害に加え、[[セロトニン]]作動性神経系の異常と考えられる行動異常と[[視床下部-下垂体-副腎系]]の機能不全を呈す。恒常的に開構造をとる変異シンタキシン1遺伝子を強制発現させたノックインマウスは生育可能だが、2-3ヶ月齢で全身痙攣を呈し死にいたる。[[ショウジョウバエ]]では、遺伝子破壊体、温度感受性変異体、SNAREモチーフ中に変異を導入した変異体が作製されている。
 シンタキシン1Aの[[ノックアウトマウス]]は生育可能だが、[[恐怖条件付け]]記憶の阻害に加え、[[セロトニン]]作動性神経系の異常と考えられる行動異常と[[視床下部-下垂体-副腎系]]の機能不全を呈す。恒常的に開構造をとる変異シンタキシン1遺伝子を強制発現させたノックインマウスは生育可能だが、2-3ヶ月齢で全身痙攣を呈し死にいたる。[[ショウジョウバエ]]では、遺伝子破壊体、温度感受性変異体、SNAREモチーフ中に変異を導入した変異体が作製されている。
== 関連項目 ==
SNAP-25
SNARE複合体
エクソサイトーシス
シナプス顆粒
シナプス前終末
膜融合
有芯小胞
385

回編集

案内メニュー