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これらの物質は、酵素基質、[[神経伝達物質]]、[[ホルモン]]などの内在性リガンドが結合する部位において競合的に拮抗する場合と、それ以外の部位(これをアロステリック部位という)に結合してタンパク質構造を変化させることによって作用する場合に分けられる。 | これらの物質は、酵素基質、[[神経伝達物質]]、[[ホルモン]]などの内在性リガンドが結合する部位において競合的に拮抗する場合と、それ以外の部位(これをアロステリック部位という)に結合してタンパク質構造を変化させることによって作用する場合に分けられる。 | ||
代表的な遮断薬(アンタゴニストまたは拮抗薬antagonist)は,受容体の刺激薬結合部位に結合して刺激薬の作用に競合する物質である。このような拮抗様式は競合的competitiveであると言われ,その物質は[[競合的遮断薬]] competitive antagonismと呼ばれる。競合的遮断薬は,刺激薬の[[用量反応曲線]]を右にシフトさせ,ED50値を増大させる。しかし,競合する刺激薬の濃度を増やした場合には遮断薬は競合的に排除されるため,刺激薬の最大効果は不変である。なお,競合的遮断薬の作用強度を表す指標として,しばしば[[pA2]] | 代表的な遮断薬(アンタゴニストまたは拮抗薬antagonist)は,受容体の刺激薬結合部位に結合して刺激薬の作用に競合する物質である。このような拮抗様式は競合的competitiveであると言われ,その物質は[[競合的遮断薬]] competitive antagonismと呼ばれる。競合的遮断薬は,刺激薬の[[用量反応曲線]]を右にシフトさせ,ED50値を増大させる。しかし,競合する刺激薬の濃度を増やした場合には遮断薬は競合的に排除されるため,刺激薬の最大効果は不変である。なお,競合的遮断薬の作用強度を表す指標として,しばしば[[pA2]]が用いられる。これは刺激薬単独時のED50を2倍にするために必要な遮断薬の量(または濃度)と定義される<u>(編集部コメント:ここにシルドプロットに関する記述を入れてはいかがでしょうか?)</u>。 | ||
[[ファイル:Antagonist.jpg|サムネイル|400px| '''図. 拮抗薬の阻害様式''']] | [[ファイル:Antagonist.jpg|サムネイル|400px| '''図. 拮抗薬の阻害様式''']] | ||
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一方,遮断薬が受容体の刺激薬結合部位とは異なるアロステリック部位allosteric siteに結合して刺激薬の受容体親和性を減弱させる場合や,受容体以降の応答に至るまでの経路のどこかに作用して刺激薬の作用を見かけ上弱める拮抗作用は,非競合的noncompetitiveであると言われ,そのような物質は[[非競合的遮断薬]] noncompetitive antagonistと呼ばれる。非競合的遮断薬は,刺激薬の用量反応曲線において最大効果を減少させるが,ED50値には影響しない。 | 一方,遮断薬が受容体の刺激薬結合部位とは異なるアロステリック部位allosteric siteに結合して刺激薬の受容体親和性を減弱させる場合や,受容体以降の応答に至るまでの経路のどこかに作用して刺激薬の作用を見かけ上弱める拮抗作用は,非競合的noncompetitiveであると言われ,そのような物質は[[非競合的遮断薬]] noncompetitive antagonistと呼ばれる。非競合的遮断薬は,刺激薬の用量反応曲線において最大効果を減少させるが,ED50値には影響しない。 | ||
なお,遮断薬の受容体への結合の多くは[[wj:非共有結合|非共有結合]]であり,作用は可逆的reversibleである。しかし,一部の遮断薬は受容体に[[wj:共有結合|共有結合]]を形成するので,不可逆的irreversibleな作用を発揮する。また,細胞内において生理学的な拮抗をもたらす非競合的遮断薬の一部では,作用はほとんど不可逆的である。受容体に対する親和性が刺激薬に比べて極めて高い遮断薬の場合にも,拮抗作用が洗い流されないことから作用が見かけ上,不可逆的となりinsurmountableであると表現される。 | |||
== 逆作動薬 == | == 逆作動薬 == |