「学習障害」の版間の差分

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== 治療 ==
== 治療 ==
 治療的介入は、客観的な証拠に基づいて作成された個別教育計画(Individualized Education Program, IEP)によって教育的介入<ref name=ref17>横山浩之<br>読み・書き・算-むずかしいところはどこか(特別支援教育の基礎知識―21世紀に生きる教師の条件)<br>''明治図書''、2008</ref>がなされる。客観的な証拠として、Wechsler 系の知能検査や各種の神経心理検査が用いられるが、これらの検査は努力性の指標(本人が努力していない状況では低い結果となる)であるため、行動観察や学力評価といった裏付けによって、妥当性・信頼性を得る必要がある。また、複数の検査結果を組み合わせて評価することも多い。
 治療的介入は、客観的な証拠に基づいて作成された個別教育計画(Individualized Education Program, IEP)によって教育的介入<ref name=ref17>'''横山浩之'''<br>読み・書き・算-むずかしいところはどこか(特別支援教育の基礎知識―21世紀に生きる教師の条件)<br>''明治図書''、2008</ref>がなされる。客観的な証拠として、Wechsler 系の知能検査や各種の神経心理検査が用いられるが、これらの検査は努力性の指標(本人が努力していない状況では低い結果となる)であるため、行動観察や学力評価といった裏付けによって、妥当性・信頼性を得る必要がある。また、複数の検査結果を組み合わせて評価することも多い。


 教育的介入の手法は、必ずしも薬物療法のように統計学的な裏付けがなされているわけではない。この背景には、学習障害が必ずしも均一の集団ではないため、統計学的な結果が得られにくいことも考え得る。実際、アルファベット圏におけるdyslexiaは、音素の読み取り・再構成が主たる障害と考え得られる比較的均一な集団であり、単語レベルの音韻指導が有用であり、[[オプトメトリックス]]に代表される[[視力]]訓練が無効であり受講しない<ref name=ref1 />ように提言している。
 教育的介入の手法は、必ずしも薬物療法のように統計学的な裏付けがなされているわけではない。この背景には、学習障害が必ずしも均一の集団ではないため、統計学的な結果が得られにくいことも考え得る。実際、アルファベット圏におけるdyslexiaは、音素の読み取り・再構成が主たる障害と考え得られる比較的均一な集団であり、単語レベルの音韻指導が有用であり、[[オプトメトリックス]]に代表される[[視力]]訓練が無効であり受講しない<ref name=ref1 />ように提言している。