「放出確率」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
(ページの作成:「<div align="right"> <font size="+1">[http://researchmap.jp/sumikomochida 持田 澄子]</font><br> ''東京医科大学細胞生理学分野''<br> DOI:<selfdoi /> ...」)
 
編集の要約なし
20行目: 20行目:
==神経筋接合部終板の構造と素量的(量子的)放出確率==
==神経筋接合部終板の構造と素量的(量子的)放出確率==
===神経筋接合部終板の構造===
===神経筋接合部終板の構造===
[[image:放出確率1.png|thum350px|'''図1.神経筋接合部終板の構造図(左)と電子顕微鏡像(右)'''<br>運動神経が骨格筋にシナプスを形成する際、終板という特殊構造をとる。(左)運動神経終末は40 μmほどに膨大し、シュワン細胞 Schwann cellに取り囲まれた終板End plateを形成する。神経終末には活性帯Active zoneと[[カルシウムチャネル]]が並列する(Robitaille, Adler, and Charlton, 1990)。50 nmほどのシナプス間隙Synaptic cleftを挟んで[[骨格筋]]は接合部ひだJunctional fold構造をとる。(右)運動[[神経終末]]内に多数存在するシナプス小胞のうち、いくつかが活性帯active zoneに接合している (Hirsh, 2007)。
[[image:放出確率1.png|thum350px|'''図1.神経筋接合部終板の構造図(左)と電子顕微鏡像(右)'''<br>運動神経が骨格筋にシナプスを形成する際、終板という特殊構造をとる。(左)運動神経終末は40 μmほどに膨大し、シュワン細胞 Schwann cellに取り囲まれた終板End plateを形成する。神経終末には活性帯Active zoneと[[カルシウムチャネル]]が並列する(Robitaille, Adler, and Charlton, 1990)。50 nmほどのシナプス間隙Synaptic cleftを挟んで[[骨格筋]]は接合部ひだJunctional fold構造をとる。(右)運動[[神経終末]]内に多数存在するシナプス小胞のうち、いくつかが活性帯active zoneに接合している (Hirsh, 2007)。]]


===神経筋接合部終板の素量的放出確率 (Katzの素量的放出確率)===
===神経筋接合部終板の素量的放出確率(Katzの素量的放出確率)===
 Bernard Katz によって提唱された素量的(量子的)放出確率 quantum release probability(1954)は、神経筋接合部での物理的現象を指標として解析された小胞[[開口放出]]確率である。伝達物質素量の放出(1つのシナプス小胞開口放出)は確率的な事象であり、単発インパルスが引き起こす応答は個々の伝達物質素量を放出するか、しないかである。この事象は、二項分布あるいはベルヌーイ試行 (例えば硬貨を投げて表面が出るか裏面が出るかを繰り返してみること) と似ている。 
 Bernard Katz によって提唱された素量的(量子的)放出確率 quantum release probability(1954)は、神経筋接合部での物理的現象を指標として解析された小胞[[開口放出]]確率である。伝達物質素量の放出(1つのシナプス小胞開口放出)は確率的な事象であり、単発インパルスが引き起こす応答は個々の伝達物質素量を放出するか、しないかである。この事象は、二項分布あるいはベルヌーイ試行 (例えば硬貨を投げて表面が出るか裏面が出るかを繰り返してみること) と似ている。 


案内メニュー