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こうした状況を踏まえ、症状にもとづいて定義された疾患概念をもとに検討を進めることを放棄し、既存の疾患概念を横断する形で精神症状や心理機能や脳機能にもとづいて検討を進めるべきだとする考え、精神疾患概念をカテゴリーとしてではなくディメンションとして捉えるべきだとの考えも強まっている。例えば、米国精神衛生研究所(NIMH, National Institute of Mental Health)が主導する[https://www.nimh.nih.gov/research-priorities/rdoc/index.shtml RDoC(Research Domein Criteria)]は、そうした試みと言える。この問題は結局、症状という現象を取り扱っている限りは結論に至ることはなく、その背景にある実体が明らかとなることで初めて解決する。 | こうした状況を踏まえ、症状にもとづいて定義された疾患概念をもとに検討を進めることを放棄し、既存の疾患概念を横断する形で精神症状や心理機能や脳機能にもとづいて検討を進めるべきだとする考え、精神疾患概念をカテゴリーとしてではなくディメンションとして捉えるべきだとの考えも強まっている。例えば、米国精神衛生研究所(NIMH, National Institute of Mental Health)が主導する[https://www.nimh.nih.gov/research-priorities/rdoc/index.shtml RDoC(Research Domein Criteria)]は、そうした試みと言える。この問題は結局、症状という現象を取り扱っている限りは結論に至ることはなく、その背景にある実体が明らかとなることで初めて解決する。 | ||
精神医学の臨床家や研究者は、以上のような状況と限界をわきまえつつ、そうした制約のなかで診断や治療をどのように行えるか、病因や病態をどのくらい解明することができるかを検討しており、本稿の記載もそうした前提に基づいている。 | |||
さらに、統合失調症の概念は[[発達障害]] | さらに、統合失調症の概念は[[発達障害]]の概念が提唱される前に形作られたものであるため、両者の関係について十分整理しきれていない部分がある。臨床的には、典型的な場合には臨床像は異なるが、症状の一部が共通していたり、鑑別が難しい場合があったり、病態として共通する部分が想定されるなどのことがあり、統合失調症と発達障害の異同や重複についての臨床的な詳細な検討は今後の課題である。 | ||
==症状== | ==症状== |