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最近のゲノムワイド関連研究で、統合失調症の遺伝的危険因子として108個の座位が同定された<ref><pubmed> 25056061 </pubmed></ref> | 最近のゲノムワイド関連研究で、統合失調症の遺伝的危険因子として108個の座位が同定された<ref><pubmed> 25056061 </pubmed></ref>。この中には、ドーパミンD2受容体やグルタミン酸神経伝達に関わる遺伝子群が含まれていたことが注目されるが、いずれの遺伝子の影響もオッズ比2未満の弱いものである。一方、22q11欠失<ref><pubmed> 7644464 </pubmed></ref>を含むコピー数変異がオッズ比10以上の強い危険因子となることが報告されている<ref><pubmed> 18668039 </pubmed></ref><ref><pubmed> 18668038 </pubmed></ref>。また、染色体異常と連鎖する家系の検討から、DISC1(disrupted in schizophrenia 1)が<ref><pubmed> 10814723 </pubmed></ref> 、デノボ変異の研究からはシナプス関連遺伝子が多く見いだされている他<ref><pubmed> 24463507 </pubmed></ref>、ヒストンメチル化に関わる遺伝子であるSETD1A(KMT2F)<ref>http://biorxiv.org/content/early/2016/01/12/036384</ref>などが注目されている。 | ||
臨床的に均質とは想定されない統合失調症という疾患概念を対象として行ったにもかかわらず、ゲノム研究により神経細胞、特に[[シナプス]]に関連した遺伝子の関与が示唆されていることは、統合失調症の病因・病態として神経細胞なかでもシナプスの役割が大きいことを示すとともに、臨床的に定義された統合失調症という疾患概念がある程度は妥当であることを示している。 | 臨床的に均質とは想定されない統合失調症という疾患概念を対象として行ったにもかかわらず、ゲノム研究により神経細胞、特に[[シナプス]]に関連した遺伝子の関与が示唆されていることは、統合失調症の病因・病態として神経細胞なかでもシナプスの役割が大きいことを示すとともに、臨床的に定義された統合失調症という疾患概念がある程度は妥当であることを示している。 |