「気分安定薬」の版間の差分

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===薬理機構===
===薬理機構===
 リチウムは、単純な陽イオンであり、その単純さゆえに、多様な薬理作用のうちどれが治療効果と関係しているのか諸説があるが、直接的には、Mg<sup>2+</sup>と拮抗する作用を介していると考えられる<ref name=ref4><pubmed>958476</pubmed></ref>。多くの酵素がMg<sup>2+</sup>を要求するが、リチウムの標的酵素としては、[[イノシトールモノホスファターゼ]] ([[IMPase]])<ref name=ref5><[[PubMed|pubmed]]>6253491</pubmed></ref>と[[GSK-3β]]<ref name=ref6><pubmed>8710892</pubmed></ref>が最も有力である。
 リチウムは、単純な陽イオンであり、その単純さゆえに、多様な薬理作用のうちどれが治療効果と関係しているのか諸説があるが、直接的には、Mg<sup>2+</sup>と拮抗する作用を介していると考えられる<ref name=ref4><pubmed>958476</pubmed></ref>。多くの酵素がMg<sup>2+</sup>を要求するが、リチウムの標的酵素としては、[[イノシトールモノホスファターゼ]] ([[IMPase]])<ref name=ref5><pubmed>6253491</pubmed></ref>と[[GSK-3β]]<ref name=ref6><pubmed>8710892</pubmed></ref>が最も有力である。


 IMPaseの阻害は、基質である[[イノシトール-1-リン酸]]の蓄積と、[[イノシトール]]の欠乏を招き、その結果[[ホスファチジルイノシトール]]を細胞内で枯渇させる<ref name=ref7><pubmed>2553271</pubmed></ref>。
 IMPaseの阻害は、基質である[[イノシトール-1-リン酸]]の蓄積と、[[イノシトール]]の欠乏を招き、その結果[[ホスファチジルイノシトール]]を細胞内で枯渇させる<ref name=ref7><pubmed>2553271</pubmed></ref>。

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