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===全般発作===
===全般発作===
 発作の起始から発作発射が脳全体に及び起こる発作で、発作直後から意識は失われる。原因として遺伝的素因が関与すると考えられている。
 発作の起始から発作発射が脳全体に及び起こる発作で、発作直後から意識は失われる。原因として遺伝的素因が関与すると考えられている。
 
==== 欠神発作 ====
#'''欠神発作''':ごく短時間の意識喪失を示す発作で定型と否定型(<u>編集部コメント:非定型でしょうか?</u>)の2種類に分けられる。<BR> 定型欠神発作は数秒から十数秒の意識障害が突然始まり速やかに回復する。発作は頻発する傾向があり、思春期頃には消失することが多いが、一部は強直間代発作に移行する。発作時脳波は[[3Hz棘徐派結合]]ないし[[多棘徐派結合]]を示す。<BR> 否定形欠神発作は意識障害以外にも各種症状が混在した臨床症状(ミオクロニー、自働症、間代運動、自律神経症状など)がより多く見られ、脱力などの筋緊張の変化がみられることも多い。発作の始まりと終わりがゆっくりで、脳波所見も不規則で左右非対称、背景活動も突発性異常波が混在することもある。欠神発作は複雑部分発作との鑑別が必要なときがあるが、複雑部分発作は発作持続時間がより長く、成人に多い。
 ごく短時間の意識喪失を示す発作で定型と否定型(<u>編集部コメント:非定型でしょうか?</u>)の2種類に分けられる。<BR> 定型欠神発作は数秒から十数秒の意識障害が突然始まり速やかに回復する。発作は頻発する傾向があり、思春期頃には消失することが多いが、一部は強直間代発作に移行する。発作時脳波は[[3Hz棘徐派結合]]ないし[[多棘徐派結合]]を示す。<BR> 否定形欠神発作は意識障害以外にも各種症状が混在した臨床症状(ミオクロニー、自働症、間代運動、自律神経症状など)がより多く見られ、脱力などの筋緊張の変化がみられることも多い。発作の始まりと終わりがゆっくりで、脳波所見も不規則で左右非対称、背景活動も突発性異常波が混在することもある。欠神発作は複雑部分発作との鑑別が必要なときがあるが、複雑部分発作は発作持続時間がより長く、成人に多い。
#'''ミオクロニー発作''':突然に両側同時に強い筋の[[れん縮]]が出現する。瞬間的なので意識障害を伴わず、光刺激により誘発されやすい。思春期に好発し、覚醒直後、入眠期に起こりやすい。発作時の脳波では両側同期性の棘徐波結合が出現し、棘波に一致し筋れん縮が起こる。
==== ミオクロニー発作 ====
#'''間代発作''':意識消失とともに数秒から1分以上の左右対称性の全身の律動的な筋の痙攣を起こす。発作時脳波では10Hz以上の速波と徐派から構成され、棘徐派結合も出現する。
 突然に両側同時に強い筋の[[れん縮]]が出現する。瞬間的なので意識障害を伴わず、光刺激により誘発されやすい。思春期に好発し、覚醒直後、入眠期に起こりやすい。発作時の脳波では両側同期性の棘徐波結合が出現し、棘波に一致し筋れん縮が起こる。
#'''強直間代発作''':突然の叫び(初期叫声)から始まることがあり、意識を突然消失し、左右対称性の全身の強直性けいれん(約30秒)が出現し、次いで間代性けいれん(30から90秒)に移行する。強直けいれんでは体幹・四肢近位が屈曲強直し、[[眼球]]が上転、口をかみしめ、呼吸筋も強直しているため呼吸できず顔面蒼白、[[チアノーゼ]]が出現する。その他発作中には[[唾液]][[分泌]]、[[尿失禁]]をすることもある。間代性けいれんは次第に収束するが、睡眠([[終末睡眠]])に移行し、あるいは発作後朦朧状態に移行する場合もある。この間の意識は無く、朦朧状態から回復しても頭痛、[[筋肉]]痛、[[嘔吐]]などを示すこともある。発作時脳波は強直けいれん時には筋電図やアーチファクトが入るが、間代けいれんに入ると次第に筋電図の間から見える脳波が読めるようになる。脳波は9Hz以上の低電位放電から始まり次第に周波数が減り振幅が増大化するが、発作前の脳波律動になるまでには数分間を要する。  
==== 間代発作 ====
#'''脱力発作''':一瞬(数秒以内)の全身の姿勢保持筋の緊張低下あるいは消失により起こるため、起立時に起これば[[転倒]]する。発作抑制は困難な症例もある。発作時脳波では多棘徐派結合、平坦化、[[低電位速波]]から構成される。
 意識消失とともに数秒から1分以上の左右対称性の全身の律動的な筋の痙攣を起こす。発作時脳波では10Hz以上の速波と徐派から構成され、棘徐派結合も出現する。
==== 強直間代発作 ====
 突然の叫び(初期叫声)から始まることがあり、意識を突然消失し、左右対称性の全身の強直性けいれん(約30秒)が出現し、次いで間代性けいれん(30から90秒)に移行する。強直けいれんでは体幹・四肢近位が屈曲強直し、[[眼球]]が上転、口をかみしめ、呼吸筋も強直しているため呼吸できず顔面蒼白、[[チアノーゼ]]が出現する。その他発作中には[[唾液]][[分泌]]、[[尿失禁]]をすることもある。間代性けいれんは次第に収束するが、睡眠([[終末睡眠]])に移行し、あるいは発作後朦朧状態に移行する場合もある。この間の意識は無く、朦朧状態から回復しても頭痛、[[筋肉]]痛、[[嘔吐]]などを示すこともある。発作時脳波は強直けいれん時には筋電図やアーチファクトが入るが、間代けいれんに入ると次第に筋電図の間から見える脳波が読めるようになる。脳波は9Hz以上の低電位放電から始まり次第に周波数が減り振幅が増大化するが、発作前の脳波律動になるまでには数分間を要する。  
==== 脱力発作 ====
 一瞬(数秒以内)の全身の姿勢保持筋の緊張低下あるいは消失により起こるため、起立時に起これば[[転倒]]する。発作抑制は困難な症例もある。発作時脳波では多棘徐派結合、平坦化、[[低電位速波]]から構成される。


===部分発作===
===部分発作===

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