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[[image:脳梗塞1.png|thumb|350px|'''図1.CHADS2 スコア'''<br>心房細動の脳卒中発症率をリスク数により層別。 | [[image:脳梗塞1.png|thumb|350px|'''図1.CHADS2 スコア'''<br>心房細動の脳卒中発症率をリスク数により層別。 | ||
最大6点で、0点は抗血栓薬不要、1点はワルファリン治療を考慮、2点以上はワルファリン治療を推奨。(文献<ref name=ref1><pubmed>11401607</pubmed></ref>より作図)]] | 最大6点で、0点は抗血栓薬不要、1点はワルファリン治療を考慮、2点以上はワルファリン治療を推奨。(文献<ref name=ref1><pubmed>11401607</pubmed></ref>より作図)]] | ||
脳梗塞は、①心原性脳塞栓症、②アテローム血栓性脳梗塞、③ラクナ梗塞、④その他の4病型に分けられる。 | 脳梗塞は、①心原性脳塞栓症、②アテローム血栓性脳梗塞、③ラクナ梗塞、④その他の4病型に分けられる。 | ||
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====一過性脳虚血発作==== | ====一過性脳虚血発作==== | ||
[[image:脳梗塞2.png|thumb|350px|'''図2.ABCD2 スコア'''<br>一過性脳虚血発作の脳卒中発症率をリスク数にて層別。 | |||
最大7点で4点以上が緊急入院の適応。(文献<ref name=ref4><pubmed>17258668</pubmed></ref>より引用)]] | |||
一過性脳虚血発作(transient ischemic attack: TIA)は、片麻痺や失語などの明らかな脳の局所神経症状(巣症状)が出現し、24時間以内に完全に消失するものと定義されているが、通常は数分から数十分以内に症状が完全消失し、長くても1時間以内に改善する場合が大半である。原因としては頸動脈分岐部のアテローム動脈硬化病変に形成された壁在血栓が剥離して、微小塞栓として脳動脈を一過性に閉塞し発症する病態が多い(微小塞栓機序)。ただし、高度の狭窄や閉塞による潜在的な脳血流不全状態があるときに、脱水や血圧低下などにより、一過性に血流不全状態が強くなり症状を発現する病態(血行力学的機序)や心房細動などの心原性による病態もある。いずれの病態においても、TIAは来るべき脳梗塞の前触れ、危険信号であり、速やかに対処すべき非常に重要な病態である。 | 一過性脳虚血発作(transient ischemic attack: TIA)は、片麻痺や失語などの明らかな脳の局所神経症状(巣症状)が出現し、24時間以内に完全に消失するものと定義されているが、通常は数分から数十分以内に症状が完全消失し、長くても1時間以内に改善する場合が大半である。原因としては頸動脈分岐部のアテローム動脈硬化病変に形成された壁在血栓が剥離して、微小塞栓として脳動脈を一過性に閉塞し発症する病態が多い(微小塞栓機序)。ただし、高度の狭窄や閉塞による潜在的な脳血流不全状態があるときに、脱水や血圧低下などにより、一過性に血流不全状態が強くなり症状を発現する病態(血行力学的機序)や心房細動などの心原性による病態もある。いずれの病態においても、TIAは来るべき脳梗塞の前触れ、危険信号であり、速やかに対処すべき非常に重要な病態である。 | ||