「DARPP-32」の版間の差分

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=== パーキンソン病 ===
=== パーキンソン病 ===
 パーキンソン病の病態では、線条体におけるドパミン作用の低下により、直接路神経ではP-Thr34 DARPP-32の低下、間接路神経ではP-Thr34 DARPP-32の増加が想定される。しかし、6-OHDAにより黒質ドパミン神経を片側的に破壊したパーキンソン病[[モデル動物]]では、線条体組織においても<ref name=ref12><pubmed> 12665799 </pubmed></ref> <ref><pubmed> 16029214 </pubmed></ref> <ref name=ref13><pubmed> 17596448 </pubmed></ref>、直接路神経と間接路神経を個別に解析しても<ref name=ref14><pubmed> 22753408 </pubmed></ref>、P-Thr34 DARPP-32の明らかな変動は捉えられておらず、代償的な調節機構が働いていると考えられる<ref><pubmed> 22877786 </pubmed></ref>。<br />
 パーキンソン病の病態では、線条体におけるドパミン作用の低下により、直接路神経ではP-Thr34 DARPP-32の低下、間接路神経ではP-Thr34 DARPP-32の増加が想定される。しかし、6-OHDAにより黒質ドパミン神経を片側的に破壊したパーキンソン病[[モデル動物]]では、線条体組織においても<ref name=ref12><pubmed> 12665799 </pubmed></ref> <ref><pubmed> 16029214 </pubmed></ref> <ref name=ref13><pubmed> 17596448 </pubmed></ref>、直接路神経と間接路神経を個別に解析しても<ref name=ref14><pubmed> 22753408 </pubmed></ref>、P-Thr34 DARPP-32の明らかな変動は捉えられておらず、代償的な調節機構が働いていると考えられる<ref><pubmed> 22877786 </pubmed></ref>。<br />
 パーキンソン病治療薬の[[レボドパ]]([[L-DOPA|L-DOPA]])長期服用に伴う副作用として、ジスキネジアとよばれる不随意運動が問題となる。ジスキネジアには、ERK活性化を伴う直接路神経の過剰興奮が関与している<ref><pubmed> 21886608 </pubmed></ref> <ref><pubmed> 18279379 </pubmed></ref>。ジスキネジア病態モデル[[動物]]の線条体では、P-Thr34 DARPP-32は増加し、ERK活性化を促進している<ref name=ref12 /> <ref name=ref14 />。また、DARPP-32欠損マウス<ref name=ref13 />、T34A DARPP-32点変異マウス<ref name=ref14 />、および直接路神経選択的DARPP-32欠損マウス<ref name=ref9 /> <ref name=ref14 />ではジスキネジア様行動異常が減弱することから、ジスキネジアにおける直接路神経過剰興奮の病態にDARPP-32の関与が示唆される。
 パーキンソン病治療薬の[[レボドパ]]([[L-DOPA]])長期服用に伴う副作用として、ジスキネジアとよばれる不随意運動が問題となる。ジスキネジアには、ERK活性化を伴う直接路神経の過剰興奮が関与している<ref><pubmed> 21886608 </pubmed></ref> <ref><pubmed> 18279379 </pubmed></ref>。ジスキネジア病態モデル[[動物]]の線条体では、P-Thr34 DARPP-32は増加し、ERK活性化を促進している<ref name=ref12 /> <ref name=ref14 />。また、DARPP-32欠損マウス<ref name=ref13 />、T34A DARPP-32点変異マウス<ref name=ref14 />、および直接路神経選択的DARPP-32欠損マウス<ref name=ref9 /> <ref name=ref14 />ではジスキネジア様行動異常が減弱することから、ジスキネジアにおける直接路神経過剰興奮の病態にDARPP-32の関与が示唆される。


=== 統合失調症 ===
=== 統合失調症 ===
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