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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0204069 平林 敬浩]、[http://researchmap.jp/read0076409 八木 健]</font><br> | <font size="+1">[http://researchmap.jp/read0204069 平林 敬浩]、[http://researchmap.jp/read0076409 八木 健]</font><br> | ||
''大阪大学 大学院生命機能研究科''<br> | ''大阪大学 大学院生命機能研究科''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> | DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2013年2月12日 原稿完成日:2016年5月2日<br> | ||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0080380 上口 裕之](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0080380 上口 裕之](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | ||
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=== 導入する遺伝子 === | === 導入する遺伝子 === | ||
[[Image:機能獲得実験.jpg|thumb|300px|''' | [[Image:機能獲得実験.jpg|thumb|300px|'''図1.発現量を増加させる外来遺伝子の構造''']] | ||
この外来遺伝子は遺伝子発現制御するプロモーター配列の下流に目的の遺伝子、さらに[[wikipedia:ja:polyA付加配列|polyA付加配列]] | この外来遺伝子は遺伝子発現制御するプロモーター配列の下流に目的の遺伝子、さらに[[wikipedia:ja:polyA付加配列|polyA付加配列]]という構造をもつものが一般的である(図1)。この外来遺伝子を構築する際、どのプロモーター配列を選択するかにより目的遺伝子の発現部位、発現時期、発現量が決まる。 | ||
=== 導入方法 === | === 導入方法 === | ||
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目的のタンパク質が局在の変化がその機能が増強する場合、そのタンパク質の局在を強制的に変化させる変異を導入することで機能を増強することが出来る。リン酸化酵素[[AKT]]は細胞膜へ移行することで活性化すると考えられているが[[ミリストイル化]]配列を付加したAKTは恒常的に活性化する<ref><pubmed> 10467260 </pubmed></ref> | 目的のタンパク質が局在の変化がその機能が増強する場合、そのタンパク質の局在を強制的に変化させる変異を導入することで機能を増強することが出来る。リン酸化酵素[[AKT]]は細胞膜へ移行することで活性化すると考えられているが[[ミリストイル化]]配列を付加したAKTは恒常的に活性化する<ref><pubmed> 10467260 </pubmed></ref> | ||
===阻害ドメインの欠失=== | === 阻害ドメインの欠失 === | ||
[[Image:機能獲得実験図2.jpg|thumb|300px|'''図2.(A) CaMKIIの構造 AID:自己抑制ドメイン、CaM-BD:Ca2+/カルモジュリン結合ドメイン (B) CaMKIIの活性化 (C) 活性化型CaMKII ]] | |||
ある種の酵素はそのタンパク質内に自身の活性を抑制する自己阻害ドメイン (autoinhibitory domain)を持ち、酵素活性の制御をしている。 | |||
カルシウムカルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII (CaMKII)はキナーゼドメイン、自己阻害ドメイン (AID)とCa2+/カルモジュリン結合ドメイン (CaM-BD)で構成される調節ドメインからなり(図2A)、カルシウムカルモジュリン (Ca2+/CaM)複合体の非存在下では、自己抑制ドメイン(autoinhibitory domain)により活性が抑制されている。Ca2+/カルモジュリン結合ドメインにCa2+/カルモジュリンが結合するとタンパク質立体構造が変化し、自己抑制が解除されて活性化する(図2B)<ref><pubmed> 21884935 </pubmed></ref>。このように目的のタンパク質が持つ自己阻害ドメインにより活性制御されている場合、阻害ドメインを欠失したタンパク質は恒常的に活性化している(図2C)<ref><pubmed> 1651329 </pubmed></ref>。 | |||
==関連項目== | ==関連項目== |