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また[[二次的疾病利得]]や[[美しき無関心]](la belle indifference)は変換症に特異的であるとはいえないため、診断に際して用いるべきではないと明記された。二次疾病利得とは病気になることで二次的に生じる利得のことである。(ちなみに[[一次疾病利得]]とは無意識的葛藤が症状形成によって回避されることである。)一般に二次疾病利得は神経症の症状を維持する要因として働くとされる。心理的ストレス因や二次疾病利得など、従来重視されがちであった特徴はあくまで付随的情報にとどめるべきであるとされている。また症状が故意に生み出されたことが明らかである場合には、変換症ではなく[[作為症]] (factitious disorder)や[[詐病]] (malingering)と診断されるべきであり、変換症とは診断されない。DSM-Ⅳ-TRで診断基準に含まれていたこうした確認が実際には困難であることから、変換症の診断基準から削除された。 | また[[二次的疾病利得]]や[[美しき無関心]](la belle indifference)は変換症に特異的であるとはいえないため、診断に際して用いるべきではないと明記された。二次疾病利得とは病気になることで二次的に生じる利得のことである。(ちなみに[[一次疾病利得]]とは無意識的葛藤が症状形成によって回避されることである。)一般に二次疾病利得は神経症の症状を維持する要因として働くとされる。心理的ストレス因や二次疾病利得など、従来重視されがちであった特徴はあくまで付随的情報にとどめるべきであるとされている。また症状が故意に生み出されたことが明らかである場合には、変換症ではなく[[作為症]] (factitious disorder)や[[詐病]] (malingering)と診断されるべきであり、変換症とは診断されない。DSM-Ⅳ-TRで診断基準に含まれていたこうした確認が実際には困難であることから、変換症の診断基準から削除された。 | ||
過去においてヒステリーに向けられがちであったのは、症状の背後に、隠された(意識的ないしは無意識的な)真の意図を見つけ出そうとする眼差しであった。前述の、心因、美しき無関心、疾病利得などは、こうした眼差しに通じるものであり、これらにとらわれることは診断や治療において好ましくないことから、こうした今回のDSM-5の変更は、臨床に沿った望ましいものである。 | |||
==危険要因== | ==危険要因== |