「反応時間」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
2,312 バイト追加 、 2012年3月15日 (木)
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
216行目: 216行目:


===先行期間(foreperiod, FP)===
===先行期間(foreperiod, FP)===
典型的な実験では、まず予告刺激(warning signal)を提示し、数秒程度の先行期間(foreperiod, FP)の後に反応すべき刺激(反応刺激、response stimulus)を提示する
<ref name=ITI>
被験者の反応から次の試行の予告刺激までの間、すなわち、試行と試行の間にも時間間隔がある。こちらはITI(inter-trial interval)と呼ばれる。通常、ITIは一定とする。
</ref>
。被験者は予告刺激によって試行の開始を知り、反応の準備をする。
300msを下回るような極端に短いFPを用いると、反応が遅くなる。
これは心理的不応期(psychological refractory period, PRP)と関連する現象と考えられている
<ref name=Davis1959>
'''R Davis'''<br>
The role of "attention" in the psychological refractory period.<br>
''Q J Exp Psyhol'': 1959, 11:211-220
</ref>
<ref name=Welford1980ch6>
'''A T Welford'''<br>
The single-channel hypothesis.<br>
In A T Welford (ed.) Reaction times.<br>
''London: Academic Press'': 1980, pp. 215-252
</ref>
(ただし、<ref><pubmed>18255052</pubmed></ref>)。
FPの長さが常に一定だと、被験者は反応刺激の出現を予期できる。
これは特に単純反応時間の測定では問題になるので、FPを試行毎にランダムに変動させることがある。
この場合、反応時間はFPが一定の場合より長くなる
<ref name=BotwinickBrinley1962><pubmed>13871720</pubmed></ref>
<ref name=NiemiNaatanen1981><pubmed>13629396</pubmed></ref>
FPが一定の場合には、FPが長いほど反応時間は長くなる
<ref name=Karlin1959><pubmed>14404508</pubmed></ref>
<ref name=NiemiNaatanen1981 />
<ref>
FPがランダムに変化する場合には、この現象は現れにくい。
FPの長さに関係なく、もともとFPを正確に予測できないからである。
</ref>
これは長い時間を正確に予測するのが難しいためだと考えられる。
FPが変動する場合には、用いられるFPのうち短いFPで反応時間が長くなることがある
<ref name=Drazin1961><pubmed>13724295</pubmed></ref>
<ref name=NiemiNaatanen1981 />
いずれにせよ、FPの操作は予期や構えに関係するため、その影響は複雑である。


===反応時間と神経活動===
===反応時間と神経活動===
89

回編集

案内メニュー