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| --[[利用者:Myuzaki|Myuzaki]] ([[利用者・トーク:Myuzaki|トーク]]) 2016年6月10日 (金) 21:47 (JST)柚崎 | | --[[利用者:Myuzaki|Myuzaki]] ([[利用者・トーク:Myuzaki|トーク]]) 2016年6月10日 (金) 21:47 (JST)柚崎 |
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| コメントありがとうございます。以下項目ごとに加筆・修正いたしました。<br />
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| <font color="#0099ff">1.「Calyx」の訳として「萼(がく)状」という言葉を使われています。ただ、この漢字は馴染みがなく難読だろうと思います。また医学分野ではCalyxは通常「杯状」と訳しています。例えばkidney calyx(腎杯)など。私はタイトルは「Held杯状シナプス」が良いように思います。一方、本文中では「Held萼状シナプス」「カリックスシナプス」「Heldカリックスシナプス」などの用語が混在しています。これについては統一して下さい。</font><br />今回のリバイス中では、原則「Held萼状シナプス」に統一し、頻出する箇所ではしつこい繰り返しを避けるために単に「萼状シナプス」と記しました。Calyxの訳語について。腎杯とその関連語を除いては、calyxを杯と訳すことが確定している用語どのくらいあるのでしょうか? Calyx of Heldは、生後10日齢頃までは「杯」と呼ぶにふさわしい形態をしていますが、生後2週齢以降の成熟したシナプスでは顕著なfenestrationが起き、「杯」という漢字からの[[連想]]されるものとは異なる形態をとります。あえて日本語に訳すのなら「Held萼状シナプス」、常用漢字という制約を厳密に適用するなら「Heldがく状シナプス」がふさわしく、どちらもしっくりこないのであれば英語音のカタカナ表記で「Heldカリックスシナプス」のままでもよいと思います。これまでcalyx of Heldを和訳したケースがほとんどないため、本脳科学辞典における訳語が、今後標準和訳として使われることになっていくと思われます。どの訳語がふさわしいか編集委員会で再度議論していただければ、もしくはすでに何らかの議論があったのならその経緯をお示しいただければ幸いです。<br /><br />
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| <font color="#0099ff">2.「後細胞」「シナプス後細胞」「後シナプス細胞」の用語が混在しています。「シナプス後細胞」で統一して下さい。</font><br />
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| <font color="#0099ff">3.「台形体核主細胞」「台形体核神経細胞」も混在しています。どちらかで統一して下さい。また、上記2の「シナプス後細胞」は、意味としては「台形体核神経細胞」と同じものを指していますので、できるだけ統一した言い方でお願いします。</font><br />原則「台形体核主細胞」に統一しました。<br /><br />
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| <font color="#0099ff">4.音源定位ですが、初出の場所で「両耳間強度差による音源定位」と断っておいた方が良いように思います。</font><br />「両耳間強度差による」を追加しました。<br /><br />
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| <font color="#0099ff">5.図2ですが、ventral cochlear nucleusは内側蝸牛神経核ではなく、腹側蝸牛神経核の方が適切かと思います。</font><br />「腹側蝸牛神経核」に修正しました。<br /><br />
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| <font color="#0099ff">6.「同一の音源に由来する興奮性入力と抑制性入力を同時に感知するためには、同側の蝸牛神経核小型球形房状細胞からの興奮性入力と反対側の球形房状細胞-台形体核神経細胞からの抑制性入力が時間差なしで外側上オリーブ核に到達する必要がある。」とありますが、いくら高速かつ正確な伝達系とはいってもシナプスを1個余分にはさんで、かつ対側から遠い距離を伝導してきた入力が「時間差なし」に到達できるとは思えないのですが、どうなのでしょうか?</font><br />[[ネコ]]のLSOでは反対側の抑制性入力は同側の興奮性入力に200μsの遅延で到達、[[コウモリ]]のLSOでは逆に反対側の抑制性入力が同側の興奮性入力に先行して到達するとが実験的に示されています。反対側の抑制性入力が、長い距離を伝導しかつシナプス1個分を余計に介することによって生じる遅延を補償する神経学的な機構がありそうですが、その詳細については分かっていないようです。説明ならび参考文献を追加しました。<br /><br />
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| <font color="#0099ff">7.「しかし、一部の蝸牛神経細胞の軸索は枝分かれして別の台形体核主細胞にも投射するため、蝸牛神経細胞と台形体核の関係は必ずしも1対1ではない。」とあります。これは複数本の蝸牛神経細胞軸索を受ける台形体核があるという意味でしょうか?それとも1本の蝸牛神経細胞軸索は分枝して複数の台形体核を支配することがある、という意味でしょうか?この辺りをもう少し明確に書いていただけると有り難いです。</font><br />後者の意でした。分かりやすいように修正しました。<br /><br />
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| <font color="#0099ff">8.「高速かつ正確な伝達系」であるためには、大量に放出されたグルタミン酸の除去が極めて重要になると思います。アストロサイト(およびその膜状に発現するグルタミン酸トランスポーター)との位置関係はどうなっているのでしょうか?小脳登上線維のように完全にシナプスの周りをアストロサイトが取り巻いているのでしょうか?どのトランスポーターがどの辺りに発現しているのでしょうか?もし可能なら少し記述していただければと思います。</font><br />シナプス間隙からのグルタミン酸の除去がシナプス伝達に与える機構について現在までに明らかにされている知見は以下です。萼状[[シナプス前]]終末と台形体核神経細胞からトランスポーター電流は記録されないため、シナプス周辺からのグルタミン酸の除去はすべてアストロサイトが担っていると考えられています<ref><pubmed> 12832505 </pubmed></ref>。しかし、TBOAでアストロサイトのトランスポーターを阻害しても、成熟したcalyxでは高頻度刺激中でさえもシナプス後電流の波形に影響が見られません。従ってシナプス間隙におけるグルタミン酸濃度の減少は一位に拡散によって担われていると考えられています。一方、生後8-10日齢のcalyxにTBOAを投与するとシナプス近傍のambientのグルタミン酸濃度が上昇、シナプス前終末に発現するmGluRを活性化することで、シナプス後電流は減少します<ref><pubmed> 16162930 </pubmed></ref>。簡略な形で説明を追加しました。<br /><br />
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| <font color="#0099ff">9.「シナプス前終末に発現する[[グリシン]]受容体の開口やカリウムチャネルKv7.5の不活化は膜電位を上昇させる。」とありますが、これはClイオンの平衡電位が静止膜電位より浅いということでしょうか?</font><br />
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| シナプス前終末内のCl濃度は細胞体に比べて高く、平衡電位が浅いため、グリシン受容体の開口は膜電位の上昇方向に作用します。解説を追加しました。<br /><br />
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| <font color="#0099ff">編集部コメント:「グルタミン酸を除いて」でしょうか? (伝達物質放出の修飾段落内)</font><br />
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| シナプス前終末から放出されたグルタミン酸が、シナプス前終末の代謝型[[グルタミン酸受容体]]に作用することを示する報告<ref><pubmed> 9334389 </pubmed></ref>はありますが、このautoreceptor functionは生後発達に伴って消失します<ref><pubmed> 11483715 </pubmed></ref>。代謝型グルタミン酸受容体を活性化するリガンドについても生後2週齢以降に関してはその由来は明らかではないため、あえてグルタミン酸を除外せずにこのままでよいと思います。
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